だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#526  日曜日もあっという間に過ぎてゆく

 
日曜は夕ご飯の買い物に行く以外はほとんど家にいた。
 
朝から楽器の練習も十分ではないけどしたし、
コーヒーミルの手入れをした。
ユニクロの「のん」をモデルにprocreateで一枚描いて色も塗る。
レイヤーは字の部分も入れて4枚程度。60分以上を費やす。自分の集中力はここまでかな。
確かに絵を描くときの集中度は自分で言うのもなんだが、なかなかのものだ。
だけど、半日とかは無理かな。
 
昼は残り物でそうめんを作って食べた。
そんで、Kindle unlimittedで漫画「クロコーチ」を読みだしたら止まらなくなった。
自分は、アマゾンとGoogleとアップルにかなり依存しているけど、
月額980円だったかのKindleアンリミテッドも、雑誌を読んだりこうやって漫画を読んだりするので、元はとっていると思っている。
 
さて、6時前に夕食の買い物に出かけて帰ってきて、作りはじめる。
 
インターネットで取り寄せた自然派ワインを今日は飲もうと思ったので、ちょっとソフィストケートされたテーブルにしてみた。
・「しいたけの鶏つくね詰め」
エシャロットと鶏胸肉ミンチと生姜をと片栗粉を混ぜあわせものをしいたけに貼り付けて焼いていくという、なんだかおしゃなメニュー。
・そしてキャロットしりしりにはわかめを加える。
・買ってきた枝豆豆腐は塩とオリーブオイルで頂く。
・生のとうもろこしを削って芯も一緒に炊き込むという「とうもろこしの炊き込みご飯」も初めて作った。
新しい炊飯器では80分位のモードだったかな。
 
ワインは作りながらも「キッチンドランカー」で飲んだので、食卓でみんなにサーブする頃には半分だった^^;
 
夕食と並行して、「トリのそぼろ煮」(こっちは鶏もも)作って、
片付けが終わってから翌日用の「グリーンカレー」の下ごしらえをする。
 
前日は夕方までスライドの構想を練っていたけど、
そして、休みはあっという間にこうして終わっていくけど、
日ごろできないことをちょっとずつではあるけどできたのでまぁ満足かなと、焼酎をそのまんまで飲んで眠りにつきました。

おしまい。

 

そーめん

ヒルのワイン 孔雀とか鶏もあるらしい

ちょっとおしゃれ

たまには手入れを

#525 やっと集まれて、3時間半練習する。

 
 
昨日は、今度9月15日に堀之内のデコトラトラックの集まりでライブをさせていただけるので、
やっと時間をやりくりして3人で集まって、午後1時半から5時までほとんどぶっ続けで練習していた。
 
我々はギター3人のユニット、 バンド名は「華戀(karen)」と言う。
 
ーー
 
それにしても 日々を消耗させていくようなことばかりだ。
その中で 出来うる限り最善の、いや、最善と言わないかな、出来うる限りでなんとかやってるつもりだ。
でも当然取りこぼしたものが数限りなくある。ぼろぼろぼろぼろ、手の隙間から色んなものがこぼれていって、それを呆然と眺めているそんな感じの日々だ。
 
ーーー
 
おとといは午後から 愛媛透析療法研究会だった。
うちの病院からもスタッフが2題エントリーしていて、発表は3時過ぎからだった。
演題名は、
「On-lineHDFからI-HDFへいこうしてみて〜1年間の経過〜」
「FIX-210uecoは低分子蛋白が原因の合併症予防に有効?」
余裕で行ける予定だったけど、外来が終わって帰ろうとして私服に着替えたら、患者さんが血尿でバルーンが・・という話で来てもらうことになった。
すぐに来て下さいよとは言ったもののそう簡単に来れるわけもなく、
それで何やかやしてるとぎりぎりの時間での到着となった。
演題に関しては何べんも何べんも手直ししているので 言うことはないけど、観客の反応は相変わらず いまひとつで、こういった発表について本心ではどう思ってるのか、ほんと聞いてみたいね。
会が終わってから、近場の焼肉屋で野郎ばっかりで小宴会をする。
まぁたまにはいいかな。 翌日が練習なので1次会だけで切り上げた。
 
ーーーー
 
京アニの事件とか、香港とか、韓国と日本の関係とか、イジメとか、性同一性障害とか、パワハラとか、なんだか いい話はあんまりないね。
しょこたん中川翔子さん)が新聞で言ってた。
 
「死んだら、いじめた相手は後悔するのか。そうではないと思います。いじめた側は、忘れて生きていくから。
自分の好きなことを大切にして、幸せだなと思える瞬間にたどり着くことがリベンジだと思う。
だから、どうか、死なないで」

 

当事者だったしょこたんの言葉は ズシンと響く。
 
とにかく とにかく 死ぬな。
これはいじめと直接は関係ないけど、
ネットの文言とかをうのみにするのではなく、自分の頭で考えて、そしてできれば発信してほしい そんなことを思った。
 
でも実際としては、昨日の音楽練習でも力尽きて、なんだか今日は(今日も?)廃人の気分です。
 
ーーーー
 
P.S.
みんなが帰ってからしばらくぼーっとして、 晩御飯を作った。
昼間、サックスの練習の帰りにエフマルシェの「海響市場」で買ってきた、
ホンビノス貝で、潮汁とは言わない醤油を加えたけどすまし系のお汁を作った。これがなかなか家族に好評でした。
ハマグリよりは 安いからね、でかくていい感じだよ、

#524 「求めよ、そして応えよ、さらば与えられん(そうすればきっとろくでもないことでも決して無益ではない何かがきみに与えられるよ)」

 
この歳になると、本当に自分の居場所にだけいても何も起こらないことがよく分かる。
(そうでもないよという話もあるけど・・)
からしつこいぐらいに求めている。そうなんだよ、ほんとそうなんだよ。
 
現在の自分のことを知ってる人は、本当にこのおっさん積極的よねえくらい思っているんだろうけど、実は自分では内向的な面の方がまだまだ強いと思っている。でも内向的で、一人で穴掘ってても光は見えてこなかったので、もう多分半分以上過ぎた人生、恥ずかしくってもしたいことはしとこうと本当思ったのですよ。だから、50歳からが自分の第二の青春だと思って。今日も、腹立たしくも慌ただしくも、駆け始めるわけです。
 
だから、「求めよ、さらば与えられん」という言葉に対しては非常に リスペクトを感じている。
いつもlabor(労働 与えられた最低限の仕事をこなすといった意味で自分は使ってるなあ)という言葉を使うけど、
与えられた仕事 さえも できない(60%でいいのかってことですけど) 人間に、
何がクリエイティブなことが本当にできるのだろうか?
そしてその人はなにを考えて日々生きてるのだろうかと傲慢にも思うことがある。
 
自分がそんなにほめられる人間ではなく、
好き嫌いの多い人間であることも、たまたま院長なんてポジションに付いただけの成り上がりだということも知ってる。
 
けど、そこから先は、ホント自分で切り開くしかなく、 学校でぽーっと口を開けて教師の言うことを聞いてるだけの人生なんて、本当に人生の一瞬だけなんだってことをいつになったら君たちはさとるのよって、ほんとえらそうに思うわけですよ。
そこに「適材適所」とかいう都合のいい言葉がハメられるのかなーとも思ってみたりするけど、
なあにが「適材適所」だ、「あなたの場所で咲きなさい」だ、とときに腹立たしくなるわけです。
求めたら、返さなくてはね。
返せるものがたとえ稚拙でもいいじゃないか、とそう思うんです。
 
だから、続きがあるのだ「求めよ、そして応えよ、さらば与えられん(そうすればきっとろくでもないことでも決して無益ではない何かがきみに与えられるよ)」ってことなのだ。
 
またまた、中村雅俊さんの「俺たちの旅」だけど、
劇中歌だったかな、「ただお前がいい」って歌があって、
それは確か小椋佳さんの歌で、
 
♪また会う約束などすることもなく
それじゃあまたなと別れるときの
お前がいい・・
 
上で書いてることとちょっと違うけど、
じゃあねと別れていつ会うかわからなくても(あの世で会うかもというような話も最近ではあったりする^^;)、
心の中に、思い出せばちょっとだけでも蘇るような、そんな関係も悪くはないなと思うんだ。
 
 
SNS に対しては否定的な意見も多いけど、
自分はポジティブで接している限りはポジティブの方が勝つのだといつも思っている。
ネット上で知り合って、会うこともなく(必然的に)距離を置いて付き合って、そして多分一生会うこともないだろう方から、家族の肖像のオファーを受けたのは多分数ヶ月前だった。
とても無理だなあと思ったけど、昨日ちょっと発作的に頑張って描いてみた。
カレは遠い土地にいて、知らない間に結婚して、子供さんもできて、どうも自分の家まで建てちゃったみたいだ。本当に何をしている人なのか全然わからないけどたまに 文章とか写真で知り合うそれだけの関係の方の家族の絵を描いていたら、なんだかこちらも幸せをもらったような気がした。
それはそれでいいんじゃないのかな。
 
まとまりが無くなってきたので、このへんで。
色々あるけど、天から何かが降ってくるのを待つだけの人生はもう辞めにしたってことで。
 

#523 「華戀(かれん)のテーマ」(original)を作り上げて、デモテープを作る。マスターベーションやな、これって^^;

iZotope ポータブル・マルチトラック・レコーダー Spire Studio

iZotope ポータブル・マルチトラック・レコーダー Spire Studio

 

 

やあ今は音楽に一生懸命の感じだね。
 
仕事一段落して外来でギター片手に作詞作曲の続きをしていたら、
病棟の看護婦さんが大きなアマゾンの箱を持ってきてくれた。
 
早速、amazonさんから新しい Bluetooth スピーカーが届いたんだわ。
ANKER MOTION+というものだ。
最近の物に違わず説明書がほとんどないので、最初のブルートゥース接続までちょっと時間を要したけど、まあ接続は何とかできた。
 
作曲にはiPadアプリの「Touch notation」という楽譜作成アプリを愛用しているんだけど、いまだに反復記号とかが理解できんでいるけど、今回はフル演奏するように、 codaとかも使ったよ。
(これってkawai楽器さんが作ってるソフトなんですよね。素晴らしいです!ありがとうございます。
そのデジタル楽譜を演奏させたものを流して、 bluetooth スピーカーから出力して、
それをSPIRE Studioに入れて、
そこから、ギター2回とボーカルかぶせて多重録音して、まあ稚拙ではあるけど4トラックかぐらいのデモテープを作った。
そして最後にギターを叩いてリズムも追加してみる。5トラックじゃん。
失敗もそのまんまでありますけど。
vocalねえ、 お風呂で歌うみたいにリバーブをちょっとかけたりしてごまかしてみたりもしてみる。
いやあ、なんて云うか、自分で作った歌なのに、なんて難しいんだろう。
昔は作詞から考えてたけど、
最近はぽっと出てきたフレーズをちょっと心の中に染み込ませて、それからそれを核に作曲を先にするようにしている。
♯とか♭とかひねって悦に入ってたんだけど、楽器と違って、自分では歌えなかったので、だいぶ省いたんだけどなあ。
それでもむつかしい。
ボーカルはまた別才能だね。
 
シンガーのSIONがね、自分の部家の中にスタジオを作って、そこで宅録をして毎年毎年 CD を出しるんだよね。
「Naked Tracks」というんだよ。
それがすごいなと感心していた。
ちなみにSIONは俺と同い年だ。 そのスタジオは飛行舎という。
 
自分は外来に iPad を二つ並べて、 bluetooth スピーカーおいて、 SPIRE Studio 置いて、アコギを手に抱えて、それで完成。
おお、俺のスタジオだよ!
どこでもいけるじゃんか?これっ?
っていうことが分かった。
 
いやあなんかいいね、新しいこと。
誰かに褒められなくてもやるって事はね。
嬉しい嬉しい嬉しい。
 
そんなわけでできたよ、デモトラック。
今年から、なんとギターのユニットを作ってゆるゆるだけど3人でやってる。
演奏の後とかに飲みながら言ってた我々のテーマソングを、有言実行にやっとして作り上げたんですよ。
「華戀(かれん)のテーマ」!
 
きっと今夜の酒はうまいぜ、いえい!
 

不揃いのステップ

 

#522 うちごはんだね、やっぱり。(しんすけsキッチンmemo)

昨日は台風で1日うちににいた。
やりたいこと、やらなければならないことのまあ20%程度の達成だった。
そんなもんだろ。
 
昼はぶっかけうどんを作って食べた。

 
夜は夕食の当番は家人だったのだけど、冷蔵庫に「バターナッツ」という変わったひょうたん型のかぼちゃがあったので、それでポタージュを作ってみた。
アメリカ製のバイタミックスという優れもののミキサーがあって、これでなんとポタージュスープができてしまう。
今回は、玉ねぎとバターナッツを煮込んで、ある程度柔らかくしてからミキサーに入れたけど、
もしかしたら、少量なら生のままでスイッチONでももいいのかもしれない。
これが、牛乳も生クリームも入れてないのに、なかなかクリーミーで美味だった。
フェンネルと粗挽き胡椒をかけていただく。ドイツワインとともにね。
 
今朝、残りを冷やしたものを飲んだら、これまたさらにクリーミーになっていた。

 
こんな 終戦記念日やら台風の時に言うのもなんだけど、
日本とアメリカが戦争するのには無理があったのだなと思わされる感じですね。
でも、大東亜戦争って言うんですか?太平洋戦争って言うんですか?第2次世界大戦って言うんですか?
その記憶を持っている人は本当にめっきり減ってしまった。
90代の患者さんが時々 志願したとかいう話を口にするぐらいだ。
 
朝から紹介状骨を5通書いて、やっぱりやってくる外来のなんだかよくわからない患者さんに対応しているともう昼だ。
 
人生は短すぎる。
 

#521 新しいbluetooth speakerをやっと決めたよ。

 
iLoud(bluetooth speaker)が壊れた。
IK Multimedia iLoud 多機能ポータブル・スピーカー【国内正規品】

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それに気づいたのは、我々(DAWNIST=日本名・夜明け前)の単独ライブが終わってしばらくしての、7月のことだった。
 
アルトサックスとトランペットのユニットである我々「DAWNIST(夜明け前)」は、合同練習は自宅と大街道のカラオケ店「まねきねこ」で行なっていた。
カラオケ店に Bluetooth 接続のスピーカーを持ち込んで、それにiRealPro(すぐれもののjazzカラオケ再生アプリ!)の音源を再生しながら、二人でサックスとトランペットの練習をするのだ。
カラオケ店は当然場所を借りるだけで、後はお茶を飲むぐらいだ。
そうやって月に1回から2回程度、約2時間の練習を重ねて、我々は成長していった。
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風邪で声が出なかったあの日、6月28日のライブの前日も、ヘロヘロの体を引きずって、大街道の「マネキネコ」に練習に行った。
一曲ずつさらっていったが、途中でスピーカー(it マルチメディアのiLoud)がプツンと途絶して、何も反応しなくなったのだった。
その時は充電が切れたのだろうと安易に考えた。
 
困った、困った、困った。
 
相棒からの提案もあって、鞄の中にがAirpodsがあるのを思い出して、スマホの音源をAirpodsに流して、片耳ずつイヤホンはめて、それで二人で演奏したのだった。
 
いいこと思いついたね!
 
その時相棒は、これがあれば次からいけるかもしれませんねと、言った。でも片耳だけの再生ではなかなか音が拾いにくく、合わせるのはやはり大変だと思ったりもした。
 
そして、ライブが終わった。
 
その後もスピーカーはうんともすんとも言わかったのだけど、 どうしても使う という機会もなかったのでまあ安易に考えていた。
これは本当に壊れてるんじゃないかなと思ったのはやっと落ち着いた7月18日の夜だった。
 
それで購入した楽器店に聞いてみた。
聞いてみるとなんと、購入後1年以上過ぎてからは 修理を受け付けないと言うではないか!
1年間は新品との交換で、それを過ぎると15%オフで新品を販売するらしいですだって。
そんなあこぎな返事を頂いた。
 
アンビリーバブルだ。途方にくれた。
楽器を演奏するのにやっぱりヘッドフォンで音楽を聴くよりは鳴らしてやった方がいいに決まっている。
自宅での演奏はまあいいのだけど、そして演奏する場所でも最近はアンプにつながせていただけることになっているのでまあいいかもだけど、後は練習の時だね。
困ったね。それにしても本当に困った。
なおして末永く使うなんて時代は終わったのだろうね。
 
でもこの Bluetooth スピーカーは、ギター端子も繋げるとか 、iPhone のアプリをつないで一応音源をミックスすることができたりという、非常に多機能で よかったのだけど、もうそういったものをスピーカーに求めない方がいいのかなと・・・・ほんとにほんとにほんとに落胆してますよ it マルチメディアさん。
 
ーー
 
ーーーー
 
ーーーーーー
 
それから長い長い年月が経った。
宇宙に平和が訪れたのかどうかは誰にもわからない。
でもとにかく長い時が過ぎたのだ。
 
なんかサックスからは遠ざかっている自分も、やっと本腰を上げてBluetoothのスピーカーを選ぶことにしたのだった。
だって、台風だし、今の所風は大したことないけど、家にいる時間が長いので、懸案事項を一つずるでも片付けんといかんからね。
最初は4000円くらいの安いのを考えたけど、あまり安いのでは音が割れたり練習に使えなかったりする可能性がある。iLoudバックにフレンチレストランでバイオリン弾いたときも、宴会の音にバックの音は容易にかき消されてたもんなあ。
少々重たいのはまぁ構わない。
と試行錯誤して、2時間位かかって、今回は以下の商品を選びました。10999円。
(iLoudよりずいぶん安い。個人発表用にはミニPA買う予定^^;)
 
アマゾンさんから届くのが楽しみです。
 

#520 夏休みの読書 「笑う山崎」(花村萬月)

笑う山崎 (ノン・ポシェット)

 
久々に本をじっくり読もうと思った。
 
日常的には時間を切り貼りして生きているので、読書にまとまった時間をとることはほとんどない。
(ほんとないねー)
まとまった時間といえば、寝るときと、外来で診療している時間と、無駄なのか有益なのか皆目検討もつかない飲酒宴会の時間だなあ。
 
それで選んだのはなぜか古い本だった。
 
奥付を見てみると 平成8年10月20日初版第1刷発行と書いてある。
この診療所を始める2−3年前なので、愛媛大学に勤めてた最後のヘンかなあ。まああの頃も違った意味ですさんでたかもしれない。いまよりも(苦笑)。
 
花村萬月さんの「笑う山崎」というハードボイルドというか極道のストーリーだ。
 
山崎はヤクザには似合わぬ色白・非筋肉質体型のヤクザだが、残酷無比冷徹なこと限りない。
京都の組を揺るぎない存在に変え、関東のとある組の目付としてやってきた。
小説内ではとても映像化できないような酷い拷問シーンが延々と描写される。
これに比べたら「東京喰種」のカネキ君のシーンも、彼の倫理観のステップアップがあるから可愛いかも 、てなくらいだ。
冒頭からフィリピーナのマリーの鼻を潰してから求愛する。病室でいきなりセックスを始める。そのくせアルコールはからっきし駄目で、それでもビールを飲んで「アイシテル」を続けて、気を失ったりする。他の場では気を抜かないのに、彼女にだけは特別だ。だからますます恐ろしい。
 
山崎は平然と手を血で汚し、振り返ることなくその世界さらにさらにを染めてゆく。
でも、彼の倫理観には全く揺るぎがない。
その倫理観にきっと 昔はひかれていたんだと思う。
 
今はそこまで冷徹になることはできない。
でも自分の今の立場って、この本を読んだ昔よりは冷徹になれるところにはいるのではなかろうかとは思ったりする。
そんな自分を糾弾したいわけでもない。
だって、世の中には「立ち位置」とかそんなものが存在して、それ故に萬人の言う「平等」なんて幻想なんだということはわかるようになったから。
そのなかで折り合いをつけて常識人ぶってるだけだ。
だから根拠もない熱い会話には時にしらける。酒でもぶちかけてやりたくなって、ひとり杯を重ねる。
だからヒトを批判する暇があったら、自分で何かをやりたい(行動することだ)と思うようにしている。
実際そうしているつもりだけどまだまだ足りぬ。
 
松山から伊丹を経て、乗り継いで、千歳まで行く飛行機の中で黙々とその本を読み続けた。
 
周りの光景がいつしか不透明になってゆき、自分はその世界に没頭して、頭から足の先まで殺されてゆく者たちの血と臓物でいっぱいになった。
彼らの気持ちとはしかし寄り添って歩くことはできない。
 
それにしても花村萬月やっぱりすごい作家だ。