だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#41 「割礼」の話

なぜか古いblogの方の医療相談の方にポツポツコメントが付く

最近は、「特発性腎出血」で、今度は「割礼」だ。
 
 
日本人のお母さんと、アメリカ人のお父さんと、そのくだんの生まれて1週間しか経っていないbabyのおちんちんを前にして、
自分は、日本のいわゆる医学的見解を延々と話した。
日本では割礼といったものは日常的ではなく、むしろ、亀頭の露出した幼児の方が気味悪がられるのだ、と。
 
Fatherはおれに言った。
「自分の国では、みんな生まれてすぐに割礼をするのだ、
自分もそうだったし、だから、親が自分にそうしたように、おれも自分の息子にそうさせてやりたいのだ」、と。
 
Motherは、言った。
「私にはわからないので、先生の言うことが常識なんだとは思いますけど、彼の言うとおりにしてあげてください」
そう言って彼女は、延々と日本の医者の理論を語り続けるおれの前で涙ぐみさえしたのだった。
 

古い自分のblogについたコメントに、今回は、こんなふうに答えた。

我々とは宗教的なベースや生活習慣も違うので、なかなか根本的な点で分かり合えることは難しいように思います。我々は医療という接点でしか説明できません。

たしかに完全包茎との判断なら保険対象になります。それ以外だと保険対象にはなりません。しかし新生児の場合は、保険適応になるようなお子さんは少ないと思いますよ。

ただ、保険適応外と言っても、新生児にメスをいれるのですから、リスクは有ると思います。

そのドクター個人の判断になると思いますよ。
自分は、父親と母親と話し合って合意の上で引き受けましたが、それでも十分な合意といえるかどうか。だからなかなか引き受けてくださるところは少ないのだと思います。だって病気の治療とはちょっと異なりますもんね。

見解を一致させることは、もともと無理なので、診療する医師と両親の信頼関係によるものとなり、それゆえに余計に敷居高いのでしょうね。

 


「割礼」の国、「捕鯨反対」の国、「イルカは人間の友達だと漁師を監視する」国、
わかりあえることなんて、インターナショナルの世界では皆無に等しいのかもしれない。
それを知りながら、相手の思考とか戦略の裏をかいて交渉する政治家にはだからやっぱりなれそうにもない。
 
「お前は割礼は得意なのか?」と聞かれて、
「yes」と答える医者も日本にはそういないとは思うけど、
おれは「やるとなれば完璧をきすのでno problemだ」、そう答えて、おれはbabyの割礼をしたんだ。