だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#62 男と女は切ないね、切なすぎるよね。「ニューヨーク、ニューヨーク」(1977) を観る。

サックス仲間のTさんに借りてた『NEWYORK,NEWYORK』観る。

1977年の作品で、164分の長尺の映画だ。
 
ロバート・デ・ニーロのテナー・サックスはブイブイ飛ばしてゆくんだけど、残念ながらこの映画はサックスが主役の映画ではなかった。
やっぱり、ライザ・ミネリが輝いてスターになってゆく映画だったんだ。
ライザ・ミネリが成功して、ミュージカルをぶちかますシーンはちょっと長すぎて退屈したけど、まあそれでもスコセッシ監督は音楽撮るのうまいからね。
あのストーンズの映画にも興奮したからね(「shin a light」でした)。
あれ、でもその割には、映画館から帰ってすぐ買ったCDもあんまり聴いてないよなあ^^;
 
 
そんな長い長い映画のエンディング。
 
ミュージカルスターとして成功したライザ・ミネリのコンサートを一人で見にゆくロバート・デ・ニーロ
彼も一介のサックス奏者からレコード会社の副社長になって、勝者の街・NYで成功している。
それでもスターのミネリにはかなうはずもない。
舞台が終わった喧騒の中、外の電話ボックスからから楽屋のライザ・ミネリにコールして、「中華でも行って二人だけで話そう」と誘うデニーロ。
ライザ・ミネリは、「yes」と答えて電話を切る。
厚いコート羽織り、ミネリは楽屋裏から続く廊下を歩いてゆく。
楽屋の裏口から外につながるドアの上に光る「EXIT」の文字が浮かび上がる。
闇に浮かぶぼんやりした灯り。
しばらく立ち止まってそれを眺め、
彼女はパーティ会場へ戻ってゆくためのエレベーターのボタンを押すのだった。
雨に濡れた歩道、なんていうのか寂しくもなく嬉しくもない表情で、出て来ないライザ・ミネリをひとしきり待ったあと、
傘を持ったデニーロが一人で歩いてゆく。
そんなエンディング。
 
かつては愛し合っても、自分たちの世界ができてしまった、
お互いの手をいったん離してしまったら、凧の糸がぷつんと切れたみたいに飛んでって、昔みたいに触れ合うことはもう二度とでくなってしまう。
オトナの男と女はみんなそうなんだろう。
多かれ少なかれ、早かれ遅かれ。
そして、それは一緒に暮らしててもきっとおんなじことなんでしょう・・
とかしんみりさせられるエンディングでした。
 
ライザ・ミネリが歌うようにそれでも世界は廻ってゆくのでしょう。
 
だから、歌い、泣き、叫び、毒づき、ゲロはいて、おれはおれのダンスを踊るしかないんですけれど。
そして、片方の手で握りしめた彼女の手を、時には離れたとしても、再び途切れないように握りしめておこうと、
少なくともそういった努力をし続けることが重要なんだと今更のように誓うのでした。
But the World Goes 'Round

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