だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#121 「白い象のような山並み」 by E.Hemingway

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photo by pennstatenews

やっと週末までこぎつけた。


しかし、またこの休みの間に台風がやってくるという。
この愛媛という、天災からは非常に庇護された土地に暮らしながらも、やはり文句は言いたくなるもので、自分の予定を優先する結構莫迦もの。
それを遮るものにぎゃあぎゃあ言ってもお天道様相手では仕方ないのにね。
 
そもそも、お天道さまにはかなわない一個人の営為ってなんだっていうことを書き続けたのが、
かの文豪・ヘミングウェイなんだと思う。
 
インポのジェイクの物語、「陽はまた昇る」は相変わらず読むことを中断されたままだが、
幸いなことに西崎憲さん編訳の「ヘミングウェイ短篇集」はほそぼそと読んでおり、もうちょっとで読破まで近づいてきた。
 
今朝は、6時前に覚醒して、
「白い象のような山並み」「殺し屋」「贈り物のカナリア」「あるおかまの母親」「敗れざる者」の5編を読んだ。
 
「白い・・」の中に、若い彼女の呟くこんなセリフがあった。
 
「わたしはこの新しい飲み物を試してみたかった。
わたしたちにできるのはそれしかないもの。
そうでしょ-目の前にあるものを見て、新しい飲み物を試してみるだけ」
 
目の前に横たわる山並みを彼女は、白い象が並んでいると例えた。
だが実際にあるのは、木の間から見える表面の白だけなのだ。
 
男は彼女に堕胎を勧める。彼女がそれを受け入れればすべては元に戻るだろうと、そう彼女も言う。
わたしたちは全部を手に入れられたはずなのに、毎日毎日それを不可能にさせていくんだわと。
 
すべて無にして無。
そしてそんな営為の中を生きていくしかない人間存在。
だったら、彼女の言うように、
目の前の新しいコップの水を、とにかく試してみるしかないのかもしれないではないか?
 
諸君。
 
P.S 最終の「密告者」を読み終えて読了。