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だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#157 two of us 安井かずみさんとか加藤和彦氏とか、フィッツジェラルドとか。

BOOKS

安井かずみがいた時代

何かにベースを置いておくことは、この人生を生きてゆくにおいての処世術でもある。
この11−12月の、自分にとっては「音楽」を皆さんの前で演奏できるという、ハレの場にむけて、ゆっくり、あまりじっくりではないが絶えず動いていた。
そんな自分のペースメーカーのように、この「安井かずみがいた時代」というノンフィクション本を、一方ではゆっくり読み進めていたのだった。
 
たとえば、
みんなまだ、ジョン・レノンとYOKO・小野のカップルのことを覚えてるだろうか?
あの二人のことを覚えているのなら、、加藤和彦安井かずみのカップルのことも記憶の片隅にとどめていて欲しい。
 
時代とともに駆け抜けたように思えるこの二組のカップルも、こうやって振り返れば、二組のなんら変わったことのない個人たちだったのかもしれない。
振り返ってみれば時代は残酷で、でも誰にでも平等だったのかもしれない。
 
稀代の売れっ子作詞家だった安井かずみは、結婚してから、基本的に加藤和彦のためにしか作詞をしなくなったという。
加藤和彦はなにがあっても安井かずみとのディナーのための時間は取ったという。
たとえば新生サディティックミカ・バンドのレコーディング中も、彼は夕方になると自宅に帰ったという。
そして二人で正装して、ディナーを取ったというのだ。
 
安井かずみが肺がんで死に、
その一周忌もまたずに加藤和彦は再婚し、やがて離婚し、
2009年に軽井沢のホテルでで自殺した。
でも、ボクは彼らの残した音楽しか理解出来はしないが、やっぱり「あの頃マリー・ローランサン」を作った二人は、とても素敵なカップルだったと思う。
シャイで、エレガントで、インテリジェントで、スノッブで、
ガキではない「大人のカップル」だった。
たとえそれが虚像だったとしても、その虚像をつくり上げるために二人のした努力は、今も燦然と光り輝いている。
 
そんなこんなで、遥か昔、ジャズエイジを生きた、フィッツジェラルとゼルダのカップルのこともちょっと思い出した
フィッツジェラルドは心臓麻痺で死に、ゼルダは入院していた精神病院の火事で死んだ。

二人の墓石に彫られたのは「グレート・ギャツビーの最後の一行だった。

「こうしてぼくたちは、絶えず過去へ過去へと運び去られながらも、流れにさからう舟のように、力のかぎり漕ぎ進んでゆく。」(野崎孝訳)