残念ながら雨の朝です。露天風呂からの景色はこんな感じです。この景色のためにこの旅館は60何年もこの海沿いに立っているんだと実感できます。銀波荘@赤穂市。
日本の地方都市は、どんどん似通ってきてるよなあ、
そんなふうに感じたのは、いつか、学会で山陰に行った時だったと思う。
でも、よく考えてみると、それですらもう何十年も前の話なんですよね。
じゃあ今はどうなんだろうか?
ネットがあるから昔よりは情報格差は縮まってると思うけど、ヒトは群れなして大都会に集まってるよなあ。おんなじものを求めて、他人とおんなじじゃないといけないような強迫観念にとらわれて・・。そこになにがあるというのだろう?やがて舞台からはおりなきゃならんのに、その時に残るものがあるんだろうか。そんな溜息をおれもたまについてる。
でもあまりにもヒトがいない街は寂しい。そんな寂しい街に忘れ去られたような遊園地があって、かろうじて動いている観覧車を見ると、いろんなことを思い出す。
でも、ほんとに思い出しているのか、それともそれは自分で作り上げた幻想なのか、もうわからなくなってるんですけどね。
それでもそういったさびれた街に観光に行くと、それはそれなりで、旅人の視点で見るからかもしれないけど、興味深いものに触れ合えたりするのは、日本ならではなんだろうか。
今回は、あの赤穂浪士の街「赤穂」にクルマで出かけた。
赤穂駅から南下していって、やがて海岸にぶちあたる。棒鯖寿司と牡蠣の店なんて手作りの看板も見えたりする。ぶちあたった海岸べりには何件かの温泉宿が立っている。結構古いけど大きな宿だ。
着物の仲居さんに連れられて迷路のような道を歩いて階段を登って部屋にたどり着く。和室に無理やりベッドを置いた部屋だ。
売りの露天風呂の前は岸壁の海で、ちっちゃな灯台が灯りを点している。沖に見えるのが小豆島だそうだ。うがった言い方をすれば、この旅館の売り物はこの景色で、この景色のためにみんな昔はやってきたんだろうなと思ったりもした。日が暮れて、灯台の明かりのキラメキが強くなり、潮の香りが若干強くなった気がした。
でも80数名の観光客団体の隣で食べた懐石はそりゃあもう贅を尽くしたものだったし(It's Japanese 温泉料理!)、地元の日本酒は(これは日本全国どこでもそうなんだろうけど)旨かったし、自分の中での評価は徐々に上がっていった。
そうだね、どこでも、旨い飯と酒にあたって、温かい布団に入って寝ることができたなら、そこが都さあね。
いいね、赤穂市。