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だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#208 クジラの跳躍

日々の戯れ言 CINEMA BOOKS

クジラの跳躍 [DVD]

いろいろあるけどやはり心は定まらないものだ。

心の中心は満たされないまま、時だけがいたづらに過ぎてゆく。

そんな時のとっておきで、たむらしげるさんの「クジラの跳躍」の絵本を探しだす。手に入れたのは1998年だ。

20分余のアニメにもなっており、ネットで探せば少し画質は落ちるが観ることは可能だ。

・・・観た(多分中国語の字幕付きのやつ)!

ある時間軸では、タイタニックのような巨大客船から双眼鏡でクジラの跳躍を観る少年の物語であり、ある時間軸では、半日かけて跳躍するクジラのもとに集う様々な人のstoryである。

かつて船乗りだった老人は、最後の最後に自分の乗っていた船の名を思い出す。「ゴンドワナ号」だ!その船が、時の迷宮で大きな滝を滑り落ちる寸前だったのを、老人の友達の画家は知っている。でも語らない。老人は子供の時に船の上からクジラの跳躍をみたことを思い出す。だったら少年は老人で、少年の見ているクジラは現し世とあの世の境界を飛ぶものなのだろうか?

有名な「胡蝶の夢」という話がある。この自分の人生は実は蝶が見てる夢なんじゃないかというものだ。人生は儚く脆い。その脆さの中で一生懸命生きてる。壊れて老いて散っていってもたとえ一瞬の夢でも、それでもyesと言い続けていたいとは思うのだけれど。たむらさんのアニメの登場人物は答えは語らない。どこかからか現れてまたどこかへ消え去っていくのみなのだ。それでいいのだろう、本当は。おれは欲が多すぎるよ。ほんとね、呆れるくらいにね。

 

【蛇足】昨日は大学の泌尿器科の同門会だった。若い顔やら年老いた顔が集まった。教授は今年度で退官だ。いつものように酒を飲んで、医局の女の子たちの絵を描いた。先代の教授の葬儀のことをふと思い出した。彼は脳出血複数回繰り返し、退官後亡くなられる前はずっと病院に入院していたという話だ。もちろん自分が泌尿器科にはいる前から、すでに半身麻痺で、もうとっくに手術はできない体だったんだけど。いろんなことが過ぎてゆってだんだんその色を淡く染めてゆく。でも淡いからといって例えば血の色は血の色なのだろう。それ以外ではありえない。そして、おれの辿り着く場所はどこなんだろう?果てしない夢を今も見ているようだよ。

 

クジラの跳躍 (TamuraShigeruCollection)