だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#254 第49回 四国透析療法研究会 とたらいうどんの日 

2015年10月4日、朝の7時出発で徳島に「四国透析療法研究会」に出かける。

自分も含めて総勢10名。

途中が事故による渋滞で、下道を走る。ついたのは10時前。四国大学という立派な大学の講堂。

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朝一からは埼玉医大の小川先生の「在宅透析」のスポンサードセミナー、人はまばら。「在宅透析はターミナルHHDになる可能性はあるのか?」という質問をさせてもらいました。先生からはカテーテルを用いれば決してnegativeではないかもというような答えをいただきましたけど。やっぱりもともとの在宅透析(HHD)は積極的な攻めの姿勢でやってほしいのは誰が考えても自明の理ですからね。もともとが、より自然に近づけるための取り組みなで、週に5−6回・一回の透析時間は8時間とかいう感じなので、activeな人じゃないと意味が無いだろうなあ。透析という行為自体がややもすればnegativeなイメージの中で、在宅透析は「闘う透析」のイメージが何となく自分の中にはあるんだけど、うちの診療所ではやっぱり難しいよなあ。ぶつぶつ。なんとこのHHDのスポンサーはニプロさんで、在宅透析用の機会とか、個人用の熱湯消毒システムとか、提案していってるみたいでした。すげえ。

 

続いての特別講演は慶応の林松彦先生の「心腎症候群からかルフィラキシスまで」というもの。この先生は非常にアカデミックで淡々と喋られてました。

実は最近鉄を含有するP(リン)の吸着剤(商品名;リオナ)が出たりして、透析患者では吸収悪いので、静注鉄じゃないと駄目だなどと言われてたのが、その新しい製剤を投与してたら逆に鉄が上がりすぎちゃったなどという発表も出てきており、自分の施設でもその傾向あったりして、鉄は経口投与ではダメなんだよっていうのはただの迷信だったのかなあ、などとも話されてました。

それがまたまた、数カ月後に出る、リンの吸着剤(キッセイからリリース予定のピートル)は、鉄含有だけどイオン化されないため、鉄が吸収されないため、リンは吸着するけど血清鉄は上がらないというもので、ますますややこしくなってきそうな感じですよね。

それにしてもスポンサードセミナーというのもよく考えたもので、その会社の製品を多少なりともアピールするわけで、この10月にはそういった講演が、地元愛媛でも目白押しで、はてさてそこでどんな話が飛び出すのか興味深いとともに、話題が被っちゃってしんどいよな~というのが僭越ではありますが聴く側の実感ですかね。でもこうやって一流の先生の話が地元でも聴けるというのは逆に言うとありがたいことでもあり、ある種贅沢な悩みです。

 

その後はもう昼で、今度は弁当付のランチョンセミナー。横並びに4つある中からの自分のセレクトはキリンの「腎性貧血の治療戦略」というもの。

それが終わるともう午後で、一般演題のH条病院のM田先生の「腎性貧血と鉄とリオナ」の連続2演題を聞く。M田先生は自分の大学の後輩でもあるので、いっつも仲良くさせてもらっているんだけど、彼の頭のなかをかち割ってのぞいてみたいなあというのが実は思うところなんですよね。ほんと彼の真摯さと探究心には頭が下がります。愛媛の産んだ宝のような透析医の先生ですね。とかちょっと褒めすぎ?いやいやホントそんな感じの先生なんですよ。彼みたいな立派な先生がいるから自分も透析業界の末端にいても許されるって感じもあったりですよ。

そして災害シンポジウムを聴いて16時前にお開きのちょっとセミナー形式多すぎでこれじゃあ学会というより講習会だよちょっと不満もアリーの「四国透析療法研究会」でした。

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さあ、帰りますよぉ。

 

徳島自動車道を西へ走り、みんなで、土成のICでおりて、そこから北上して、生まれて初めての「たらいうどん平谷」さんでの食事です。

でも、たらいうどんの前に、周りのテーブルも我々も煙モウモウにしながら、名物「焼きとり」(一口大の鶏の肉がてんこ盛りでそれをガスコンロで焼いて、ニンニクたっぷりのタレで頂くというもの)と唐揚げをいただいて、たらいうどんの到着を待つのでした。あゝ、サワガニの揚げたのもいただきましたけど、これは酒のあてにぴったりですね。地元の方が気楽に訪れるところなんでしょうね、みんな勝手に厨房からビール運んできたり、僕らのテーブルの皿片付けてくれたり、と、誰が店員で、誰がお客さんなのかわからない状態でしたよ。

で、結構腹膨れたあとのたらいうどんも、川魚の「じんぞく」でとったお出しに卵も入っていて、濃いめそうに見えてそうでもない、不思議な食感で、しょうがと刻みネギを入れるとまた趣が異なり、腹いっぱいのはずの7人前のたらいうどんはあっというまに完食でした。

 

以上学会報告でした。

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