だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#293 泌尿器科Y教授の最終講義のDVDを観る、例によって二日酔いの朝。

 
泌尿器科のY教授がこの3月で退官された。
 
大学での最終講義のDVDを、教授退官記念パーティで頂いた。
GWになって、外来診療がないので、やっと観ることができた。
いえ、できました、ですね、先生、はい。
 
タイトルは「愛大病院ブランドと人財 院長の独り言」というものでした。
 
教授は、病院長を務めた12年間は、泌尿器科教授不在の12年だ、と言われてた。
まさにそう言われればそのとおりだ。
まあ、自分は教授が病院長になられる前に、大学を出て、日赤の腎センターに勤務し、
H13に自分の病院を開院したので、
その後の大学のこととか、泌尿器科のことはあまりよく知らないのだけれど。
 
愛大病院はこのままでは経営破綻するだろうというところから話は始まる。
いやあとんでもない話だけど、こんな世の中では世の中に溢れてる話でもある。
ただ待ってて医療してたんでよかった時代なんてとっくに破綻してる。
それが特殊な医療機関でもあり専門性の高い施設でもあり教育機関である「愛大病院」となるとことさらだ。そんな病院を繁栄させるためにはどうすればいいの?
 
まずはそこに働く職員が、自分の職場に誇りを持ち、そこでずっと働き続けたいというようなモチベーションを持つことだ。職場に嫌な思いをしてやめた人は決してその職場をよく言うことはないだろう(言えてる!)。
だから、医師のモチベーションを高めるために、看護師のモチベーションを高めるために、教授は人員を増加させて、専門職に負担をかけないようにしたり、待遇を改善したりしたそうな。
例えば看護部門で言うと、食事介助専門の方の雇用とか、育児施設の開設とか、IC看護師の増員とか、看護師外来の設置とか。
医療職員すべての常勤化とか、専門性の高い仕事に重点をおくとか、それって実は人件費を増加することになるんだけど、急がばまわれで、ブランド力とかモチベーションを高めることが医療という場においては実は一番リターンを産むっていう理屈でした。
確かに、投資が意欲を産んで、それが医療の質の向上につながり、向上が収益に結びつく、win winな感じだ。
 
その他もいろいろあったけど、
まさにクレバーな教授の真骨頂発揮て感じのお話でした。
 
いやあ、経営っておもろいんやなあ(おもしろかったでしょうねえ)。
 
で、結局、病院のブランド力とは、というと、
全ての構成員のベクトルが共通の目的に向かってそろっていることで、
それはすなわち、良い医療の方向に向いているということなのだそうだ。
みんなが一丸となって未来を向いて進むというビジョンは非常に美しい。
 
うーんいい話でした。
 
自分が、個人開業医として、この「武智ひ尿器科・内科」の院長である自分が、
ブランド力を高めるためにしていることといえばなんだろうと考えてみた(そんな大げさなもんじゃないですけどね)。
結論は非常にシンプルなものでした。
 
・患者さん一人ひとりの診療を、とにかく丁寧にする、気を抜かない。
・あいさつをする。
・紹介状をまめに書く、紹介されたら必ず返事を書く。
 
ねっ、あたりまえのことでしょ?
 
自分にだって至らない点はまだまだあるだろうけど、
日々の普通の診療の延長線上にしか、成果というのかな、この病院の評価はないんだと思ってますよ。
まあ評価してくれるのは、自分がいくら声を大にして大変なんだよっていっても、患者さんや周りの医療関係者でしかないんですからねえ。
医者は営業しないで、待ってて、来る患者さんしか診ることができない特殊な職業です。
そりゃ自分から営業する方法も無きにしもあらずですけど、やっぱりその患者さんがまた来てくれようと思わん限りは、再診してくれませんもんねえ。
だから、一度来た患者さんがまた来てくださるような病院にすることが一番の自分のブランド力の創生なんだと思いますよ。
 
あれ、うまいこと着地したなあ^^;
 
お粗末さまでした。