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だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#316 夏風邪と風鈴の音色と冷房と。

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今日も外来が多かった。それでも超過しても一日ではないというのが半日のありがたさだ。
 
めったに見ないTVを通りがかりに眺める。
多分貧困のことをやっている。
母子家庭?イラストレーター志望の女の子、女子高生?一人暮らしのアパート、
彼女は部屋には冷房がないので、彼女の工夫といえば濡れたタオル首に巻くこと。びえびえですよ。
彼女微笑んで「頑張ってます」だって。
泣けるねえ。
 
自分の夏風邪は95%軽快といったところだが、未だ完全ではない。
なんせ粘調の鼻水が鼻腔を閉塞して、寝てたら発作的に咳は出てくるし、
かといって冷房はなんかからだに悪そうなので、
なんせ一昨日は自分としては珍しく日中もうだるような暑さに、風の涼を感じながら(あーこれが日本的風流なんかもねえ)、
Over the Rainbow」のスコアを見て、そのコード進行とかメロディ進行を真似て、メロディフェイクみたいなアドリブを作ってみた。
やっぱり3時間位没頭したね。こういった一つのことに没頭するということが大事なんだと思うよ。いっつも時間を切り売りして、あれをしながら横からこれを言われ、患者さんから書類預かってます、業者から電話です、給与明細の作成、みたいな時間軸で生きてるからね。
 
ああ、冷房の話だわ。
 
そういうわけで、病気になってみると、普段日常的に使ってる人口の冷房がいかに身体に良くないかがわかる。
昔はみんなうちわであおいで、自然の風を涼として、それこそ貴船のあたりで(京都の鞍馬山のたもとの貴船神社のこと)川遊びをしてたんだよなあ。
 
高校かなんかで習った清少納言の有名な一節を引用してみるとこんな感じだっけ。
 
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。
冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。

 

 
どう、思い出せた?
 
季節感を失って、夏はうなぎとか、バレンタインだのハロウインだの、クリスマスはチキンだの、恵方巻きだの、なんだか踊っているのか踊らされてるのかわからない我々のゆきつく場所はどこなのか、そんなことはわからない。
 
だからといって、夏風邪が治ってしまえば、当たり前のように冷房に依存する自分で、例えばゆるい風に揺れる風鈴の音なんぞ気にもとめないだろうけど。
 
だからせめて、この湧いてきた不自由を楽しんでみようなどと強がりだけ言ってみるよ。
 
写真はおまけの、やっぱり暑い時期の鞍馬山の旅の写真からです。あの日も暑かったなあ。おまけにクビが曲がらんので叡山電鉄で周りの景色観るの死にそうだったよなあ(2015.8)。
 

 

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