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だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#359 しかたねえよね。ほんとしかたねえ。

年の瀬もいろんな死があった。
 
患者さんが死亡したときには、当然だけど、その患者さんの死亡診断書を書かなければならない。
じゃないと、火葬できないからね。
亡くなられてから葬儀屋さんがこられるまでの短い時間で書類は作成されるわけだけど、
病気のはじまりのこととか、カルテを眺めながら思い出してちょっととまるんです。
ああこんなこともあったなあ、そういえばあのときはああだったよなあ。
 
病歴の長い方のほうが、そして合併症の多い方のほうが、これがいいのか悪いかは別にして、印象に残る、残りやすい。
自分の場合は、透析患者さんとは自然と付き合いも長くなってくるし、2日に1回は顔を合わせるので、まあ密度も濃いといえば濃い。
透析室のスタッフだとなおさらだろうなあ。彼らにとっては家族よりももしかしたら接する時間が多いかもしれんもんなあ。
 
そして、死の記憶が一段落するかしないかの頃に、生命保険の書類を頼まれる。
またそのときに否が応でも、患者さんの人生をトレースすることになる。それはわかってはいても結構ハードな作業だ。
生の最終地点には、死しかないことを今更のように思い知らされる。
幸か不幸かそこから逃れうる方法を人類は発明していないからね。
 
それはいつか自分にも訪れるのだと知っても、知らん顔をしている自分がまだそこにいる。
だから、灰になっても、実は消え去るものではないんです。薄れてゆくだけの話。
そうやってみんな積み重ねていってるから、
HDDみたいに初期化で真っ白にするなんてことはそうそうならぬことも知っていて、
それでもあがくのはどうしてなんだろうね?
しかたねえよね。ほんとしかたねえ。
 

Death.