だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#419 今日は病院の19周年でやっぱりうだうだ生きている。

アラスカたんけん記 (たくさんのふしぎ傑作集)

NHK BS の録画を観る。
アラスカを愛した写真家「星野道夫」さんの息子が、22歳の大学卒業の今、アラスカの父親の足跡をたどる旅のドキュメンタリーだ。
「父と子のアラスカ」だったかな。
息子さんが卒業を前にして NHK の金でアラスカに行くのかはちょっと疑問には思ったけど、
まあ彼が初めて父親の写真に触れ、そして父親を愛した人や、いろんな場所やものに触れたりするのは決して回顧主義だけではなく、
心が洗われる番組ではあった。

星野道夫氏は、自分が企画した番組で、取材中に戸外でテントの中で寝ていて、熊に襲われて死んだのだった。
屋内に入ろうというクルーに対して、この時期の熊の習性からすると郊外の人を襲ったりはしないと主張して、テント泊を選んだのだそうだ。

星野道夫さんは、作家の池澤夏樹さんを介して知った。
ある時期、自分の人生の師のような方であり、いわば人生の探究的成果を具現化した男でもあった。
シシュマレフ・ワタリガラス・朽ちたトーテムポール・今もアザラシを解体して食べる昔ながらの狩猟民として暮らしをしているエスキモー生活・グリズリー・カリブーの大群・暖炉のの暖かい火・書棚に並べられた書物。
いろんな光景が、カメラの前にリアルな映像として映し出されて消えていった。

ジャック・マイヨールは自ら命を絶った。加藤和彦もやはりそうだった。
でも星野道夫は違う。熊に襲われて死んだのだ。そしてその死は決して空白ではない。
大腸癌で死んでいった原田芳雄も然りだ。

息子が父の足跡を訪ねる。
その光景を見ていると、やはり自分のことを思ってしまう。
星野さんの息子さんは星野道夫が死んだ時たったの1歳半だった。だから彼は父親との暮らしをほとんど覚えていない。
だから、この度で彼は父親を他人のように一人の大人の男として眺めて、そしてナニを思ったんだろうな?
自分は、彼と違って、オヤジを失ったのはつい最近だ。
でも死んだ親父について何を知っているのだろう?といういささか自責の念に駆られるかられないわけでもない。
まあそれは誰しもが思うことだろう。
でも心配ない。
死んだお袋と、死んだ親父の DNA は、俺の体に迷うことなく流れているのだから。
墓があろうがなかろうが、墓碑銘があろうがなかろうが、彼らの灰が溶けて地中に吸い込まれてしまったとしても、
俺には何ら問題はない。
おれだってそのうちおさらばしてどうせ忘れられる。
おれの死だってそんなものは何の問題もない。
ただ今を生きるだけだから。
だからなのか、だけどなのか、最近こうやって頭の中をすぎることどもを、毎日毎日こうやって書き連ねている。

今が嵐の季節なのかもしれない、自分にとって。

今日で病院は、開業丸19年を迎え、明日からは20年目に突入する。
いえい!