だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#444 人生はきっと「永い言い訳」(2016)

永い言い訳

 

映画館に行ったのは先日の「坂道のアポロン」が何年かぶりだった。
この映画も、行きたいと思っていたのに結局知らない間に終わっていた。
 
西川美和監督の「永い言い訳」(2016)。
もっくんが主演の映画だ。
 
「長い」言い訳なら終わりもあるだろう。
でも永遠の永を使われた「永い」言い訳には多分終わりがないのだろう。
 
そしてそれはきっと生きているがゆえのことで、
ついでにいうなら死んでも多分何も変わらないのだろうとさえ思う。
だったらせめても永い言い訳を続けるしかないのだ。
 
時間が変われば関係性も変わる、それも真実だ。
でも、それなら愛なんて求めないほうがいいのか?
 
映画の最後の方でもっくんは「人生は他者だ」とメモ書きに書いた。
片岡義男さんも小説の中で「自分の鉱脈みたいなものはなく、関係性の中でしか成立しない」みたいなことを書かれていた。
なんとなくわかった気もするし、わからないままの部分もある。
 
言い訳と単語で書くと、悪いイメージばかりが先行しそうだが、
今日も明日も自分に言い訳をして、言い訳をしている自分も周りもそれで納得がいくのなら、それはそれで全然ありかもしれない。
 
きっとおれは死んでも醜く言い訳するだろうけど、「負のスパイラル」のための言い訳だけはやめとこうよね。
 
それにしても、だよ。
愚かしく、まったく愚かしき人間存在として半世紀以上生きてきた言い訳だらけの自分を、
突き落とすわけでもなく救ってくれるわけでもなく、
だから西川美和監督は見過ごせないのだ。