#669 電気バイオリンの試奏をしてきた。
何かで原田芳雄さんが言っていた。
「死ぬ時には後ろ向きに倒れてはいけない、
前に向かって 倒れて、 地面に顔を埋めるように死ぬんだ」
それがどういう意味だったのか よく覚えていない。
ネットで検索するけど、そんな言葉が出てこない。
ただただ、自分の中で妄想が膨らんでいっただけのことなのかもしれない。
でも多分自分はそんなふうに死ぬことはなく、どうしようもなくしょぼい死を選ぶのだろう。
まあ死ぬことにりっぱな死もしょぼい死もないんだけどね。
疲れているというのが 昨今の日々に対する印象だ。
何か楽しいことをしても、結局疲れは取れないのだ。
コロナの残滓が全てを覆い尽くしているような気さえする。
でもコロナがある前からそれは同じだったような気もする。
お酒に酔って、一瞬いろんなものを麻痺させて、それでしのいできただけなのかもしれない。
古い文脈や、
古い思考しか操れない自分だということをわかりながらも、
その自分からなかなか脱却できない。
だから、
永遠に続くお経やら呪文みたいなbeatくらいしかないじゃない、踊れなくっても。
って思った。
そう思って lo fi popやら、
ギターのコードを奏でるよりも、バイオリンでエレキなサウンド追求するのもありかなと、
昨日島村楽器で、YAMAHAのエレクトリックバイオリンを弾かせてもらったりもした。
#668 そんな日々
#667 Graveyardの月
#666 水溶性下痢と外来診察と中華粥までの道のり
#665 2022/07/03 sunday
#664 ジョンレノンやお前のいない世界。
久しぶりに「イエスタデイ」という映画を観た。
2019年の作品だ。
ビートルズが いない世界に 目覚めた 売れないミュージシャンが、自分の中のビートルズの歌を トレースして世界に発信するというような物語だ。
ビートルズの いない世界で 彼はビートルズの歌を書いて発信して世界のスーパースターになり、そのことに疲れ傷ついてゆく。
そして、彼は イギリスにいるジョンレノンに会いに行くんだ。
海のそばの家にジョンは多分一人で暮らしている。
主人公が歳を問うと「78歳だ」と答える。
長いこと航海をしてきて、好きな女と一緒になった。色々あったけど、良い人生だ。
そうジョンは言うんだ。
さて実の世界で、ジョンレノンが 死んだとき、自分は前も書いたけど 、医学部に入学するために 浪人していた。
受験に来た愛媛大学医学部の 寒い廊下 吹き抜けの廊下で、ジョンレノン追悼文集の本を読んでいたのを思い出す。
あれからもう 何十年もが過ぎてしまった。
ジョンレノンは四十歳で、ダコタハウスの前で、マーク・チャップマンに撃たれて死んだ。
そのジョンレノンが死んだ40歳という年齢をもう随分と過ぎてしまって、なにやら赤いちゃんちゃんこの年齢さえも過ぎて、それでも心の中の中二病は 収まることなく蔓延してゆく一方だ。
だから、あの時の自分に、医学部の寒い廊下にいたショボい自分に言ってやりたい。
なあ小僧、そう悲観することはないよ。
もしかしたらこの医学部に受かることができるかもしんないだろ、お前は共通一次で結構行けたじゃないか?
もしかしたら医者になることだってできるかもしんないよ。お前が望んでる精神科になることだって可能かもな?
もしかしたら好きな女の子ができて、その女の子と一緒になることだってできるかもしれないじゃないか?
そして、もしかしたらお前もまた楽器を弾いたり、小説を書いたりすることだってあるかもしれないよ。
そうだよ、そのいくつかのシナリオは成就して、いやそれ以上健闘してるかもしれない自分がこうしてここにいる訳で、
だったら、ハードだったとしても、まんざら捨てたもんじゃないぜ、ってことだ。
自分の知らないうちに 高校の同級生が 亡くなっていたという話を人づてに聞いた。
心の波があるやつだったので、連絡つかないのはナーバスブレイクダウンのせいかと思っていた。
そりゃ連絡つかんよなあ。
いくら俺でも、あの世にはメッセージは送れないからなあ。
お前ともうバカなこと 言い合ったり しょうもないやりとり できないのかと思うと なんだか本当に寂しいよ。
でも寂しいって思うことがそれこそ捨てたもんじゃないてことなんだろうな。
「イエイ!」って 言っとくよ。
だからお前もちゃんと返せよな、 「イエーイ」って。