だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#92 Excalibur

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photo by h.koppdelaney

神様が湖から現れて言う。
残念ながら、一般的な神様神様した神様で、おねえちゃんの神様ではない。
「あなたの所望したのは、この赤のワインかな、それともこちらの白のかな?」透明のグラスを両手に掲げて彼が厳かに言う。
「いやあ、神様、おれはね、この備前焼の器でどぶろく飲んでるんところなんでね、
残念ながら、どっちでもないんですよ。
それにおれには聖杯なんて似合わないですからね」
聖杯?今おれ、聖杯って言ったよな?なんでだろ?
ああ、ナニ言ってんだろ、素直に神様からもらっとけよ、とっとと変などぶろく捨ててさあ。
そういえば、足元で死んでる銀の鎧のおっさんが、多分これのことだと思うんだけど、「聖杯」握りしめたまま目を見開いちゃってこれってもう逝っちゃってるよなあ怖いよなあ。
怖いと思い始めたらとたんに怖くなってくるしなあ、
それにこりゃもう助からんよなあ、死んでるよなあ、きっと。いやいや、絶対、死んでますって。
ああ、よだれかけみたいな布に、「アーサー王」って縫い取りしてあるし(当然英語ですけどね)^^;
そういえばここは一体どこなんだろ。
空は赤いし、なんか空気はどんよりだし。大砲の音が響いてるし。
で、視線を返してみると、胡散臭い神様の姿はもうどこにもない。
もうションベンチびりそうだし、足元からなんだか訳の分からない黒いネバネバが登ってくるし、なんとかして欲しいもんだな。