#155「少女終末旅行」①
滅びに向かう世界とか、滅びてしまった跡の廃墟のような世界を結構愛している。
実は、そのことに気付いた時、自分の有しているなんか後ろ向きの嗜好に結構落ち込んだりもしたのだが、今では、十分納得している。
漫画で言えば、
「デビルマン」の悪魔特捜隊とかが、悪魔ではない人間を悪魔だと、まさに「魔女狩り裁判」して虐殺してしまうような終末世界よりも、
「ヨコハマ買い出し紀行」のような、「滅び」の後にまた滅びを待ってるような静かな世界観の方が好きだ。
ちょっと前に、映画にもなった、ヴィゴ・モーテンセン主演の「ザ・ロード」の原作も読んだが、あれは救いは残されるものの救いのない世界だった。
そんな自分が必然と巡り合ったようなマンガを今日手に入れた。
Amazonでも在庫切れで、今日たまたま行った店で実物を見つけたのだった。
「少女週末旅行」。
女の子二人が、半装甲車に乗り込み、滅びた世界を食料と燃料とを求めてさまよっていく、スジがあるのかないのかわからないような世界だ。
そこには今のところゾンビも出て来ないし、彼女らを襲ってくる人間も出て来ない。
時は静かに流れ、描かれた廃墟の光景はなぜか郷愁に満ちていたりする。
紙の本なのに、そのマンガの中に流れる空気の匂いみたいなものを自分は偏愛していることに気付かされる。
ヒトはその元々有している「生命」プログラムの中に「滅び」を内包している。
ゴールは必ず「死」だからね。
そしてそのことを今の自分は決して悲観していないんだな。これが。
選挙にも行ってきたんだけど、
選挙の後に床屋に行って、手に入れたこの本を、
選挙当日の日に読むことにも(かなりしつこい「選挙」連発!)なにか意味があるのかもしれないな、と、ちょっと思って、笑ってみた。