息の仕方を忘れてしまった気がする。
半世紀以上生きてきて、どっちの足からステップを踏んだらいいのか時にわからなくなる。
それと同様に、息を勝手にしてるのに、一体全体相対としての自分はどうやってこの呼吸リズムをたもって生きてってるんだろうなと思ったりする。
それでも、夜が明けたら布団から抜け出し、朝から病院にノコノコやってきて、ああでもなこうでもない外来診療をこなし、お茶を飲み、患者さんに延々と説明し、おしっこして、なんてぇことをオートマティックにこなしてるんだから、人間ってえやつは大したもんだよ、全く。
Pretendersの「Learning to crawl」というアルバムを思い出す。
クリッシー・ハインドももうえらく歳とったはずだけど、あの隈取みたいなメイクでまだ歌ってるんだろうか?
おれもハイハイ(crawl)の仕方をイチから覚えたほうがいいんじゃないかなんても思っている。
もうあの頃の、十代の自分には戻れない。そんなことはわかりきってるけど。もう一回あの場所に行っても、きっとときめいた風はもう感じられないだろう。
それでもね。