だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#195 連続飲み会5日目になるはずだった勉強会の週末^^;

3/28土曜日は昼は「えひめ排泄ケア」の中予地区勉強会。

なかなか盛況で、診療が終わってからクルマで出かけた自分は駐車場に入ることがかなわず、平和通り近辺を30分くらいさまよったのだった。

今回「おむつフィッター」の介護士の方二人のミニレクチャーもあったりで、自分にとっても目からうろこの内容だった。だっておむつの構造とか正しい装着法について、知ってるようで知らないことだらけでしたからね。

看護師さんも、講義でおむつの正しい装着法とか習わんかったですって、隣で言ってましたしね。

 

夜は矢吹病院の政金生人先生の「透析患者の愁訴に着目した透析治療」というもの。

のっけから政金先生、今の透析の量では絶対的に足りないのだということを知っておかなくてはいけませんと、ぶちまける。

そのとおりなんだよね、24hr*7daysフル稼働で働き続ける腎臓をたったの4hr*3daysで透析してますなんて医療者としておおこがましいことなのかもしれないよ。そのとおり!

政金先生のデータだと週6回8時間透析されてる方は、例えるならCr1.1-1.2のレベルだとのことで、そりゃそんなヒト、世の中の老人にはザラに居て、彼らは元気でバイアグラとか使っちゃったりして頑張ってるわけですからね(このへん話をわざと極端にしておきました)。

今回は痒みの話がメインだったのだけど、血圧が透析の前後で40も下がるようなのは悪い透析ですからねという話にも耳が痛くなりました。うちにもまさにそんな患者さんがたくさんいるということですからねえ。

ESA製剤がなくって、患者さんの顔色がどす黒かった昔から透析医療に関わっている自分とかは、ついつい、今の透析患者さんは恵まれてるよなあなんて不遜な気持ちを抱きがちになっちゃう時もあるけど、ホントは透析なんて世の中からなくなるのが一番だからね。

それにしても透析医療は格段の進歩を遂げている。

栄養レベルを保ちながらある程度アルブミンも抜いてとか、貧血の話だとか、鉄の話だとか、リンの話だとか、これが透析患者さんの愁訴を握る物質なのだとか、エコー下のPTAだとかそれに特化したバルーンだとか、透析液の清浄化とかそれを前提のonlineHDFとか、リンの吸着剤だとか、半減期の長いESA製剤だとか(はては内服剤の開発の噂もちらほらと)、切り口は限りないけど、どれに対しても透析医療はあの手この手で進化を遂げてきたのだと思う。うちのスタッフたちも、臨床工学技士部門での可能性を追求していって飽くなき挑戦を続けている。

それは他分野の医療でも同様だ。

でも基本はね、しっかり体鍛えて、塩分と水分とリンの制限をして、できるだけ長い時間を透析にあてるってことに関しては、これから先も変わりはないのだと思う。だから基本に忠実にやってるうちは自分も迷わないでこの医療に携わっていけるんだろう。そう、もういささかレトロになりかけている透析医は思ったりするのでした。

 

さすがに連続飲み会5日目になる自分は、懇親会でビール一杯だけ口にしたものの、このまま突入したら廃人だなと感じて、烏龍茶に戻して、スタッフにごめんを言って退出したのだけれど・・。