#213 IMAGINE
春風の花を散らすと見る夢は覚めても胸のさわぐなりけり 西行
日本のうたは幾重の意味をも内包している。
待賢門院に恋する気持ちの歌か、春の花散るはかない光景の中においてもなおかつ残るおのれの心の昂ぶりか、夢か幻かわからぬ浮世でのある種の境地か、いかようにも、またその時時の読む人の感情でも変化しうる、それが短歌の優れたところだと思う。
でもね、胸をざわめかして生きてくことしかね、ないんだと思うんだよ。
ざわざわ、ざわざわざわざわ、揺れてもいいんじゃないか、なんべんでも転んでもいいんじゃないか、そう思うんだよ。
to be a rock,not to roll・・これはたしか有名なZEPの歌詞だったかな?そうかこれがROCKの境地なんだ。渋谷陽一先生の文章読んで若いころはなんかそんなふうに曲解してたのかも。でもね岩にならなくってもいいんじゃないかってね。
ざわざわする心を抱えたままで、ともすればブルーになりがちな一日だけどとにかく始めればいいんじゃないのか、ってね。
享楽的ではなく虚無的ではなく、だから目を閉じて風が花を散らすさまを思い浮かべることができるなら、決して遅すぎることなんてこの世の中にはなにひとつないんだと思うんだ。