だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#252 大川端探偵社

リバースエッジ大川端探偵社 1巻 (ニチブンコミックス)

人の生命(いのち)と書いて「人生」、うーん。

人が生きると書いて「人生」、これまた、うーん。

 

たなか亜希夫さんの絵は、ほんとにスキがない。

手塚治虫先生の絵には時々ヒョウタンツギとか出てたけど、たなか先生の登場人物の造形がそのように崩れて、読んでいるものにホッと一息つかせるのは、ほんとにほんとに稀なことだ。

 

大川端探偵社の3人(オダギリジョー、石橋蓮司、小泉麻耶)

 

「人間はホント心のなかに獣を飼ってる」

「そいつと折り合いを付ける方法を知ってるか?」所長が聞く。

(原作では、ホントは変態にならないようにするためにはどうするかってようなセリフだったんですけどね・・)

「はあ教えて下さい」

「酒と仲良くすることさ、静かに静かに獣(ケダモノ)の本能をなだめてやるのさ」

そう言って所長は路上でホッピーを飲む。

(ちょっと脚色したかも知んないけどそんな感じ)

 

自分はかつて「BORDER」という漫画で、原作者の狩撫麻礼(ひじかた憂峰)さんと絵描きのたなか亜希夫先生に完全にハマった。

彼らは洒脱な浮世絵師のように、現在を切り取る。

肯定も断罪もせずに。

だから「BORDER」の熱狂がこの物語にはないのは時代なのかもしれない。蜂須賀は武道館でボブ・マーレーが降臨してその後廃人になって、汗を流して労働するという行為に活を見出す。「大川淵探偵社」の村木は事務所のソファでうなされながら何も生み出すことはない。彼らの周りでいろんな依頼者の人生が廻って、そして風に飛ばされてゆく。吹き飛ばされたあと、風が収まればまた同じ風景だ。だが、ホントは同じではない。そんなことをとっくに気づいているから、所長も村木も探偵社の日常に戻ってゆくのだろう。

そんなドラマだ。

 

オダギリジョーが探偵社の村木という役を、石橋蓮司が所長を、そしてメグミちゃんはホントおっぱい中心キャラを作り上げた小泉麻耶が演じるという、ドンピシャのキャスティングの「大川淵探偵社」を今更だけど観てます。

何故かと言うと年会費が3千数百円というAmazonプライムの見放題ビデオの中にこのドラマが入っていたからなんですよね。kindleでドラマ観てると、あゝこんな時代になったんだなあって実感できてなかなか面白いです。てなわけで次世代AppleTVもけっこう期待してますよ。