だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#263 27時間ぶりの食事と、森田芳光監督の「ときめきに死す」(1984)

打ってきた文章を全て消してしまったよ。

もうろくしてんな、おっさん。

 

昨日は、二日酔いとばかり思って、夕方までふらふらして過ごしても全く回復なく、ひとりの夕餉の買い物をして帰り着いたら、余計にボーっとする。

・・で、熱を測ったら、38.4度。そりゃしんどいわ。

島村楽器でのliveを終えた自分はけっこう抜け殻みたいになってて、そんなふうに始まった酒宴ではあったものの、みなさんに盛り上げていただき、酒も入って、すぐに有頂天になり、「酔っぱらい画伯」と化して、10枚位の似顔絵を描いたのだった。お店も合計4件はしごしたしねえ。そりゃあ疲れるはずだわ。

いろんなexcuseはあるけどね、きっと身体が休めよって悲鳴あげとんのかもしれんねえ。

 

夕方からぶっ通しで13時間寝る。

朝から仕事をして、27時間何も食わずに、やっと喰った病院の昼食はそれはそれは旨かったので、まだまだ生きてけるんだよな、って弱気に思ったのだった。

 

 

てなわけで、古い日本映画を観る。

ジュリーこと沢田研二さんが、熱望して企画して、あの森田芳光監督が「家族ゲーム」の次に撮ったという、「ときめきに死す」(1984)だ。

原作はかの丸山健二さんで、当時自分は単行本を読んでいて、映画になったことも知っていて、だのに情報量のなさ(地方の悲しさよ)から、映画を見ることはかなわなかったという、自分にとっていわくつきの作品。

ジュリー演じる工藤は殺し屋の仕事のために、別荘にやってくる。だが彼の正体は明かされていない。彼を世話するために雇われた自称・歌舞伎町の医者の中年男を杉浦直樹さんが好演している(彼ももうすでにこの世にはいない)。そして、途中から唐突に入ってくる若い男にあてがうための女を、これまた若き樋口可南子が演じている。この世から少しずれたような彼女の透明感が素晴らしい。そしてオウムを想起させるような宗教団体で囲われた村に当主が訪れる時に「事件」は決行されるのだった・・。

ジュリーのセリフ「この国はみんなどうしてこう涼しくないんでしょうか」、この言葉とcoolnessに満ちた画面の対比もまあ絶妙かな。

そしてこの国は、こんなにも情報や物に満ち溢れているのに、どうしてこんなに薄ら寒くなっちまったのかな。過去がいいなんてことをいうわけではないけど、ね。いや始めっから薄ら寒かったのかもしれないな。「ま、いいか」で唇をちょっとかんで、作り笑いを向けて背中を丸めて仕事に戻る自分の薄ら寒さをも思い知らされる。だからって何も変わんないんだけどね。

 


ときめきに死す (1984) - 劇場予告編 - YouTube