#460 井上堯之さんの歌が教えてくれたこと
井上堯之さんのCDをアップルミュージックで聴いている。
「Water Mind」、これは高校生の時、中古レコード屋でゲットした堯之さんのファーストLPだ。
それが堯之さん亡き後もこうやって聴けるというのは素晴らしい。
多分CDとしての発売は難しいと思うもんなあ。
そして、これを聴いていると、あのときから自分は何も変わっていないんだ、進歩していないんだと言うことがよくわかる。
実は後日譚があって、堯之さんが何年か前に松山にliveに来たときに、この中古のLPを持っていってサインをしてもらったんだよ。
うれしかったなぁ。
「ちんちん電車」と言う名曲があり、初めてのデートでキスするまでに至った心の高ぶりを描いた(多分中学生くらいの男の子の歌)曲だけど、そのラストバースでは彼は年老いて、残り時間少ないおのれの人生を見つめていたいするわけで、もう彼女がどこでなにをしているかさえ知らない(まあそれが普通といえば普通ですけどね)。
この「諦念」とか「寂寥感」とか「無常観」みたいなものが、いつも堯之さんの歌にはあったんだ。
1stソロLPにしてね。
「厭世歌」って歌も入ってる。今日も誰かの葬式が出るよ、とか、歌ってるしねえ。生まれいづるものあれば必ず死に至るものもあるという、無常を、教科書ではなく、自分は井上堯之さんの歌で教わったんだ。
だから惹かれたんだと今にしてやっとわかった。