膵臓がんだったという。68歳。
数年前、松山のバーに弾き語りでこられて、その時は膠原病でしばらく入院していたと言われていた。
それが生の彼を見る最後になった。
何十年か前には、二番町のディスコで、スターリンとして見た。
会場から出たら外はとても明るい昼で、なんかクラクラして、この世界はあのミチロウのいた場所とほんとにつながってるんだろうか、と、思ったのを覚えている。
遠藤ミチロウさんには、自分と同じような世代の人は、どこかで一回は打ちのめされたことがあると思う。
異世界だった彼の歌や、豚の首を投げたり、ライブでフェラチオさせたりという過激な行為や、それらと全然相反するするインテリジェンスは、まるでカルヴィーノの「真っ二つの子爵」みたいに、2つに引き裂かれた人間を見ているようだった。
だけど憧れた。ミチロウ。
いつも言うけど、田舎のガキだった自分にとって、スタイリッシュなパンクは異次元の世界だったけど、その中でも遠藤ミチロウはもっともっとstrangeだった。
彼に教わったことをたくさんあるだけど、それを言葉で言うのは非常に難しい。
一体なんだろうね?
わからないけど、自分の中にいる、いすわっている赤い拡声器を持ったミチロウは、今もモニタースピーカーに足をかけて、虚空を見ているのだ。
ミチロウ、ありがとう。
そんなわけで、また落書きを描いたよ。
スターリンの2nd「虫」のジャケットのパクリだよね。

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