ふるさと納税と共に送られてくる地方紹介冊子を眺めていた。
大分県日田市の「おいでひた」というものだ。
ひな祭りの特集で、そういえばきっと今年はコロナのせいでひな祭りもなかったのかな、などと思いながらページをめくる。
あるページで目が止まる。
「黒船屋」という創作人形工房の記事だ。
夫婦二人で営まれていて、そちらの奥様が、「天領日田おひなまつり」で展示されている古いお雛様を見て職人の道を目指したんだそうだ。
冊子に掲載されている人形を見て絵を描かせていただく。
無意識のうちに自分のテイストにしたのだけど、頭の上に人参が突き刺さっているので「人参菩薩」と名付けた。
なんだかふくよかであり柔和な笑みで、(神様の存在を信じていない自分が言うのもなんですけど)衆生を救済してくださるような気がする(信じてなくっても神社仏閣は好きだし、手も合わせたりするからねえ)。
うん、なかなかいい感じ。
外出自粛とか言われた中で、このゴールデンウィークが始まったわけだけど、みんな何をしているんだろうか?
自分も旅行する予定だったのに、全てキャンセルになって、結局いつもの仕事の日々になった。
でもこうやって 雑誌を見て 、
まだ足を踏み入れたことのない見知らぬ地で、素敵な創作人形たちを作り続けるご夫婦のことを思ってみるのもいいことだと思う。
Far away home.
そして、きっと自分は彼の地をいつか訪れることだろう。そんな予感がする。
そして、ここにも、何もないところから新しいものが生まれる予感がするのだから人生捨てたもんじゃない。
創作人形工房黒船屋