#640 A Small,Good Thing. その2 Naomiさんの銅版画をやっと廊下にかけたよ。
エキセントリックに生きている人は何人か知っている。
そういった人の中ではやっぱり女の方の占める割合が多いような気がする。
男女平等とか男尊女卑とか、まあいろんな言葉があるけど、やっぱり 「男社会」というのは、いい使い方で言うと男中心の社会だけど、逆に言うと男は社会から抜けきれない生き物なのかもしれないとも思う。
Naomiさんはスーパー主婦であり、芸術家であり、まさにエキセントリックな人だった。
「誰かにできるのなら私にできないわけがない」というのが心情だったと聞いた。うん、うん。そうでしょ。
彼女が亡くなられてもう何年にもなる。
亡くなられる前数年のことはよくわからないけど、多分自分で自分の色んなことを整理して逝かれたんだと思う。
彼女がエッチングをする偉大なアーティストだというのを知ったのは、付き合い始めてから何年か経った時で、その作品は彼女の感性そのままに鋭く 繊細なエッチングだった。見せてもらって、そのうちの2点を自分は所有させてもらっている。
この一点はずっと院長室に眠っていたもので 病院には似つかわしいなと思っていたのでなかなか表に出なかった。
だけどあらためてこうやってみると、これも決して不気味な存在ではない。
なので廊下にディスプレーさせてもらった。
これから、毎朝、そして 一日のうちに何度か通る廊下で、彼女の「作品」の存在を感じながら生きていくという日々が始まるのが、なんだか嬉しいようで悲しいようで、やっぱり嬉しいんだと思う。
Naomiさん。