#530 久々の ひとり「原田芳雄祭り」(その10)と18歳の彼女の歌。
久々のという程でもなく、でっかいサイズでもないでしうけど、久々の ひとり「原田芳雄祭り」の開幕であります。
吉川晃司さんという人(本業はやっぱりsingerかな)がいて、
それはそれは彼のデビューの時は、ほんとに眩しく、まぁ最初の LP ?はよく聴いたものです。
「モニカ」という曲は今聞いてもウキウキするようなサウンドですよね。
民川祐司三部作の第1弾「すかんぴんウォーク」と、第2弾「ユーガッタチャンス」には、我らが原田芳雄さんも出ております。
第一作では、広島から上京してきたゆうじ君と先輩の山田辰夫(彼の存在感がなんかいい味)に、借金の取り立てのバイトをさせるうさんくさいおっさんの役です。
芳雄さんは、どうしていつもサウナにいるんですか?みたいに聞かれて、
「おれはね、19の年にボクサーでいい線まで行ったんだよ。
でもガキができちまってね、それからはボクサーやめてたんだけど、女房もガキ連れて出て行っちまってね、
そんでまた復帰したいと、後楽園ホールに立ちたいと思ったわけさ。
でも気付いてみたらいつのまにか体重が大幅にオーバーしてて、階級一つ上がってんの、
だからね、それからはずっとサウナに通い続けて減量よ、
通い続けて十数年だけど、一向に体重は減らんのよね」 と 語るわけです。
それを聞いて吉川晃司が「嘘でしょ」と棒読み口調で言って、
原田芳雄さんが「ん?・・・嘘だよ・・それがどうかした?」っていつものあの軽妙洒脱な感じで言うわけですね。
このなんて言うのかなうまく言えないけど、
嘘なんだけど嘘じゃない、嘘じゃないんだけど嘘じゃないっていう、そういう気持ちって、尊敬するわけじゃないけど分かりますよね。
実は何日か前、 酔っ払ってフラフラ帰ろうとして歩いていたら、大街道の路上で18歳の女の子のライブをみつけたんですよね。
ギターもってあぐらかいて、アンプラグドでやってました。
彼女の歌を聴いてたら興奮して、座って1時間ぐらい彼女の歌を聴きながら体揺すってたんですけど、
彼女にだって彼女なりの色んなことがあるんだろうけど、それでも彼女がニュートラルにギターを弾いて歌を歌っている姿は地上から確実に数センチ浮かび上がってた天使のものであり、
この原田芳雄さんの人生に対するエクスキューズと、
かのじょね、なんて言うのかな、取り合わせが、自分の中では面白いなと思ったわけです。
いえいえ、俺は18歳の女の子になりたいわけでもなく、その場しのぎで屁理屈を言いながらサウナに座ってる原田芳雄さんになりたいわけでもなく、どちらも合わせ持っているようでどちらも併せ持っていないようでもあり。
そんな感想であります。
でも自分、どっちも欲しがっている、多分。おもしれーな、まったく、おもしれーよな。