#748 市民公開講座 睡眠セミナーに出る。
愛媛大学 睡眠医療センター長の岡靖哲先生の講演の後、 我々伊予医師会員3名を交えてのディスカッション、
そしてその後は市民の方対象の不眠症相談コーナーもあったのですが、自分のところにも2名の患者さんが来られて相談にのりました(2名も来られたのにちょっとびっくり)。
自分の診療の中の、「夜間頻尿」とか「夜間覚醒」についてもう一度整理し直すのにも 良かったと思います。
「夜寝れんのよ」という7時とかから寝床に入っているじいちゃんが
「朝まで4回トイレ行くのなんとかならんのかなあ」とか言うわけですけど、
「昼寝は?」
「そうじゃやなあ TV見ながらウトウトくらいじゃ」
「それなら全然大丈夫ですよ」と自信持って言えたり、
朝3時からが1時間おきという早寝の方に「あー、えーとですねー、もうそこで睡眠は終わったと考えましょう」とか「思い切って起きちゃいましょう」とか、
今までも言ってましたけど、自信持って言える感じですね(笑)。
以下はTips
・睡眠時間は65歳で6時間である(歳とったらなんぼでも寝れると思うな!)
・加齢に伴い睡眠を持続する力が弱くなると、軽度の尿意によっても容易に覚醒するようになる
トイレに行くことで頭が冴えてしまい 再び眠ることが困難になる。
これは泌尿器科あるあるですね。
夜間多尿はまた別の話だけど。
・2013年のアメリカ国立睡眠財団の調査では、日本人の睡眠時間は調査国中で最短であった。
また日本人の平日の平均睡眠時間は休日より50分短く、” 翌日 最高に機能するために必要な睡眠時間”よりも36分 短い。
メラトニン受容体作動薬(ロゼレム)は 睡眠のシーソーのバランスを取ることで自然な眠りを誘発するような感じなので、個人的感想ですが、そんなに 強い薬ではなさそうに思います。
オレキシン受容体拮抗薬は、 覚醒の維持に重要な物質である オレキシンの作用を抑制することで睡眠を促すと考えられますが、 この薬の一番いいところは長期情報が可能だということだと考えます。 前述のベンゾジアゼピン受容体作動薬は、保険診療上は30日までの投与という制限があります。
・いつも寝ている時刻の2ー3時間前の時間帯は、1日で 実は最も 寝つきにくい時間帯 だそうで、それを 「入眠禁止ゾーン」と呼んでいるそうです。つまり、 いつもより早く寝ようと思っても余計に寝れないというのはそういうことなんですね。