PSAが高いと、患者さんと相談して、当院での生検を希望される方には、経直腸的・系統的な12箇所の生検を施行している。
最近では、MRI を用いてあらかじめ画像診断をして、ターゲット生検する方法もあったりする。
それがどのぐらい有用なのか、どんな手法でするのか、またMRIでターゲット癌がないときは生検はしなくてもいいのか、とか、全くイメージがわかないので学会誌をたまたまみたいではあるけど読んでみた。
これは MRI で予め画像を取っておいて、
それをエコー画像に重ねるように再合成して、
まずはターゲット生検をして、その後12箇所の 系統的生検をするというUroNAVという器械を用いたものである。
PSA高値のみを準拠に従来の系統的生検を行った場合は、50から80%で前立腺が検出されないという報告もある。
しかしこの MRI を併用した方法(鹿児島の新村病院329例での検討)でも、 ターゲット生検のみでは11.9%の癌が見逃されて、そのうち5.9%はCS(clinical signifidant)癌であったという。
これらのデータもとにを考えると、やはり現時点ではターゲット生検+系統的生検が必要という、まぁそんな話だ。
となると、やっぱり俺たち開業医はもう、リスクもないわけでもない生検という手技に関しては、もうせんでもええのか?とか思いますよね。
ダヴィンチもそうだけど、こうやって新しい機械がどんどん出て医学は進歩していくのだけど、それとともに医療費もどんどん高額になっていって、費用対効果という面を考えると、まったくもう何が何だかわからない世の中になっていきますよね。
現時点では、再生検の方では、やはり大きい病院に紹介という感じなのかな?
文献;
西日本泌尿器科2019年 10月号 pp500-503.