#39 低活動膀胱の人にウブレチドたったの5mg・・で効くんかなあ?と思って読んだ論文。
以前、blogにウブレチドとベサコリンの話を書いたことがある。
まあ、コリン作動性クリーゼの報告で、用量設定が1日5mg1錠(昔はもっと大量に使っていた)と設定された「ウブレチド」だけど、
これが低活動性膀胱に対して効果あるかを調べた論文が「日本泌尿器科学会雑誌」(2014年1月)に載っていた。
こういう臨床に則した論文は非常にありがたい。
OABみたいな尿意切迫に対しては、抗コリンやら、ベタニスやら、あの手この手があるんだけど、
低活動膀胱に対する決め技ははっきり言って少ないし、高齢者のヒトやら施設入所の方に導尿(自己or他己)っていってもなかなか受け入れないしなんだよなあ。
沖縄での共同研究で、
これがなんと、IPSSの変化はそうないものの、有意に残尿量を低下させているではないか!
実は本日もそのような施設入所の方が来られた。
1200mlの尿貯留で、バルーン留置した。
エコーをあててみると、前立腺はそんなに大きくないのだけど、膀胱の肉柱形成著明で、障害は総短期間で生じたものではなさそうに思われた。
(施設の方は尿量非常に多くっていっつもおむつボトボトでしたと言われてましたが・・)
で、祈るような気持ちで、ユリーフ8mg+ウブレチド5mg(作用時間が非常に長いとのことなので、最近では朝1回の投与にしている)を処方して、1週間後にバルーン抜去してもらうことにしたんだけど・・うーん、うまくいかんかなあ。
【考察より】
・軽度の低活動膀胱モデルラットでは、膀胱収縮圧を上昇させ、膀胱収縮期間を延長した。
・脊髄損傷ラットでは、膀胱収縮圧を上昇させ、膀胱収縮期間を延長した。
・高度の閉塞膀胱ラットでは、高用量投与で、大きな膀胱収縮を誘発した。
なかなか、新しい薬にはついてゆき難くなってるけど、まあ勉強はね、せんとあかんのよね。
「排尿筋低活動患者に対するジスチグミン臭化物1日5mg投与の効果」(日泌尿会誌 105(1):10-16,2014)