#57 ひとり『原田芳雄祭り』その6(?) 「水のないプール」(1982)
ひとり『原田芳雄祭り』かどうか微妙なところの、
この映画のセクシーな中村れい子さんにぞっこんになった若者は当時絶 対多かったと思う。
あの無意識下かどうかわからんがゆえにより妖艶なHシーンは生唾 ものでしたよ、当時は。
まあ今見ると結構気の滅入る映画なんだけど、その中で、 原田芳雄さんは、怪しげな警備会社の社長を怪演されてました。
でもどう考えても内田裕也さんはやばすぎだわ。
ラストシーンは、
水がない上に、枠組みまで壊されちゃったプールに寝っ転がって、 裕也さんが舌を出すシーンで終わるのだけど・・
ほんとぞっとするわなぁ。
あれは決して体制にアッカンベエをしてるとかそんなかっこいいものではなく、
共感とかはもちろん、反感ですら覚えれず、 ただただこの世の中のなにかから外れてしまった男の営みを延々と みせられただけのことで、
最後に笑わない目で舌出されてもカタルシスなどあるわけはなく、
(今のおっさんのオレでさえ辟易するんだから) 当時の青少年たちはもっと途方に暮れただろうな。
だから今更のように、では『水のないプール』って結局何を表すのかなんて野暮な提言はしないよ。
水のないプール、眠ったマネキンのような女達をオブジェのように並べる裕也さん、シャボン玉を吹く少女、マスクで腰をふる裕也さん、
それらのばら撒かれた記号のような映像は、けっして収斂しないのだから。
でも、この逆輸入ジャケットはカッコいいね!
まあ、興味のある方は見てみてくださいね。
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