だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#57 ひとり『原田芳雄祭り』その6(?) 「水のないプール」(1982)

水のないプール (内田裕也, 若松孝二) [DVD] [Import]

ひとり『原田芳雄祭り』かどうか微妙なところの、

今はなき若松孝二監督と内田裕也さんの「水のないプール」(1982)。
 
この映画のセクシーな中村れい子さんにぞっこんになった若者は当時絶対多かったと思う。
部屋の窓からクロロホルムをまかれ、気を失った状態で、内田裕也に犯される。
あの無意識下かどうかわからんがゆえにより妖艶なHシーンは生唾ものでしたよ、当時は。
まあ今見ると結構気の滅入る映画なんだけど、その中で、原田芳雄さんは、怪しげな警備会社の社長を怪演されてました。
タモリ(カメラ屋)や、赤塚不二夫(派出所の警官)さんや、大好きな殿山泰司クロロホルムを売る薬局のおやじ)さんなんかも出演されてました。
 
でもどう考えても内田裕也さんはやばすぎだわ。
 
ラストシーンは、
水がない上に、枠組みまで壊されちゃったプールに寝っ転がって、裕也さんが舌を出すシーンで終わるのだけど・・
ほんとぞっとするわなぁ。
あれは決して体制にアッカンベエをしてるとかそんなかっこいいものではなく、
共感とかはもちろん、反感ですら覚えれず、ただただこの世の中のなにかから外れてしまった男の営みを延々とみせられただけのことで、
最後に笑わない目で舌出されてもカタルシスなどあるわけはなく、
(今のおっさんのオレでさえ辟易するんだから)当時の青少年たちはもっと途方に暮れただろうな。
だから今更のように、では『水のないプール』って結局何を表すのかなんて野暮な提言はしないよ。
水のないプール、眠ったマネキンのような女達をオブジェのように並べる裕也さん、シャボン玉を吹く少女、マスクで腰をふる裕也さん、
それらのばら撒かれた記号のような映像は、けっして収斂しないのだから。
 
でも、この逆輸入ジャケットはカッコいいね!
 
まあ、興味のある方は見てみてくださいね。
 

ひとり『原田芳雄祭り』その5『9ソウルズ』はこちら↓