#434 巨人に喰われるという死に方
巨人の謎だとか、人類の生命線をかけた攻防とかよりも、
どんなに頑張って超人的な調査兵団に属しても、
一瞬で巨人に食べられてしまうという驚愕の事実。
それくらい恐ろしいものはない。
どんな崇高な信念も、鍛え上げられた鋼の肉体も、一瞬で無に帰してしまう。
それも意識のある状態で、巨人の口の中に入れられて食べられちゃうという恐怖。
それを思うだけでぞっとする。
生きてりゃ
恥にまみれ、膿もヘドロも吐き通すこともあるだろう。
生きてりゃ、
いいこともあるし、例えようもない哀しみにちぎれることもある。
でも結論としておれは生きてる。
でも、でも、そんなこんなとりあえず「生きてる」を飛び越して、
ただただ無念を叫ぶこともなく巨人に喰われちまうのである。
それでThe END.
オレの人生も、チェット・ベーカーの歌みたいに
「born to be blue」かもしんない。
それでもまだ生きてる。
だからこう思うことにした。
生きてっるって、最低生きてるって、それだけでも唯一かつ十分な矜持だって。