#552 第13回 全国土佐和紙葉書絵展に応募する。
和紙絵葉書はまだ門外不出なのでかわりに。これは酒場で隣り合った、母娘の方をスケッチしたもの。
昨日3回目のトライアルで高知県いの町の「和紙絵葉書展」の葉書を完成させた。
今回は顔彩という絵の具を使って描いた。
従来の「線から描く」という手法とはちょっと変えて、アバウトな下絵を薄く鉛筆で描いて、それに直接顔彩で色を乗っけていって、仕上げには、ちょっとだけ、やはり「顔彩」を用いて細い筆で線を入れるような手法にした。
最近いろんなことがつまづくばかりで、
もしいるとしたらだけど、芸術の神様というか、いろんな神様から見放されているような気がしていた。
でも、描き初めて時間をとると、
自分の中に眠っていたものが、紙の上に勝手に走り出すのがわかった。
最後の1枚は、それ絵も枯渇してしまって、目を閉じていると、すぐそばで一緒に働いている、泌尿器科のパートナーの彼女のことが浮かんで、それで描いたら簡単に下書きができちゃったのでそれに昨日色をつけて完成にしたのだ、最後の1枚をね。
戯曲「夕鶴」の物語を思い出す。
助けてもらった鶴は よひょうのもとに嫁ぎ、
皆が寝静まり返った深夜に、自分の羽で機を織るのだった。
身を削っての恩返しは、でもそれでも鶴である「おつう」にとっては至極の幸せな行為だったんだろう。
自分のちっぽけな才能なんて、すぐ枯れちまう。
でも井戸は目の見えない深くにまだ水をたたえてるんだ。だから焦らないで目を閉じて心の声を聞けばいい。
たとえ今回がだめでも、また機会はやってくるんだから。
応募作品なのでお見せできないけど、全部で10枚。締め切りは12月22日。
こうやって作品ができた時も嬉しいけど、またそれがみんなの前で公開される事になると嬉しい。
それでもしかして賞が取れたりするともっと嬉しいとなるわけで、ほんとに何度も何度も楽しめるアイテムだよね。
この和紙絵葉書もこれで3回目の挑戦になる。
なんでか知らないけど1回目2回目と賞もらっちゃったので、実は天狗になっている面もあるよね。
それはねしょうがない。
トライする機会を与えてくれた「いの町」さんは、やっぱり自分の何番目かの故郷と呼んでもいいんじゃないだろうかとさえ思う。