ほんとにたまにではあるけれど、ぽっかり時間があいたり、なにかから逃れったくって本屋でぼーっとすることがある。
昔から本屋は好きだった。立ち読みできるしね。
その時はたまたま「絵イラスト」のコーナーで何かイラストの教科書がないかなと、いろいろ見ていたのだった。
とにかく11冊やり遂げることができたらいいなと思ったので、
分厚い専門書に関しては、最初だけめくったりトライしただけで積ん読になるので諦めた。
それにしても世の中知識の宝庫であり、どれも実は魅力的な本ばかりだった。
絵にもう少し深入りするまでに諦めさせられるような、そんな雰囲気さえあった。
その中でなぞり書きの本を何冊か発見した。
漫画の本もあったのだけど、それだとあくまで作者の絵柄のトレースになってしまうので諦めた。
そして何冊もこの手の本を出されている山田雅夫さんの本にたどり着いたのだった。
「2Wでマスター」と銘打たれてるけど、もちろん2Wで完結するわけもない。
それだけに集中してやってりゃ別だけど。
簡単な形から初めて、徐々にレベルを上げてゆく。
最後は建造物の遠近法を用いたスケッチ(彼は一級建築士さんだった)になるので速度がだいぶ落ちたのだけど、
なるほどふむふむと丁寧に彼の手本をなぞっていった。
そのうち飽きて余白に落書きを書き込むようになったりした。いつもの悪いのかいいのかわからないくせだ。
結局は、でも、スタートはあの教科書の隅の落書きなのだ。
みんなそうして、始めるのだと思う。
今日一応最後のあたりに到達して(2ヶ月以上かかったよ)、この本から卒業することにしたんだよ。
その間に、
もう一冊のテキストである「モルフォ人体デッサン」があり、
自分の「酔っ払い画伯」としての日常のお絵描きがありだったけど、こんなにコツコツと絵に取り組んだのは、
多分人生で初めてじゃないだろうか。
まあそんな感じで、今は自分の年齢から考えると、
人生の「秋」なのかも知れないけど、学習に関しては「春」がやっときた気分でもあったりする。