だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#687 山田正紀「神狩り』

神狩り (角川文庫)

 
ふと思いついて山田正紀の『神狩り』を読む。
言わずと知れたデビュー作にしてウルトラ級の作品である。
 
wikipediaより
S-Fマガジン』(早川書房)1974年7月号(通巻187号)に一挙掲載された(掲載されたのは、現在の第一部・第二部で、第三部は単行本用に追加された[1]。)

 

自分の持っている角川文庫の最終ページを見ると、昭和52年11月10日初版発行と書いてあり、当時の値段は260円だ。
 
その頃は、多分ハードSFとか言われてて、ホーガンとか、日本では堀晃(「梅田地下オデッセイ」とかすごい発想だったよね)さんとか、その頂点にいたのは当然小松左京氏だったのだと思う。谷甲州(今見てみるとあの日本沈没の2分を書かれていた!)さんとかもいたかな。
 
友達の中に、その傾向の好きなKくんというやつがいたけど、彼は理系だった。
でもそういう自分も理系だった。
自分はもっぱら情念系の平井和正だった(当然彼もヒライストでしたけどね)。
あの頃『ウルフガイ』と『デビルマン』を熱く語れないやつに存在意義は無かったように思う(自分尺度)。
 
後年、三菱銀行に押し入った(1979)梅川某の本棚に、平井和正やら大藪春彦が並べられてたという話があって、俺も一緒だなあとか思った。
その時は浪人生だったし余計に鬱屈していたわけで、このまま大学に入れなかったら俺の存在する場所なんてこの世のどこにもないんだよなあと本気で思いながら、さりとてそう勉強できるわけでもない、まあダメダメちゃんでしたよ。
 
『神狩り』の話が一向に出てこないけど、それはやはり古いSFでありました。今となってはね。でも若い時にこんなことを考える人がいるというのがすごいよなあ。こんなコロナの世の中になって、人は余計に神と対峙し損ねているような気がするのであります。