だからオレは泌尿器科医でおしっことちんちんの医者なんだってば!(2)

生きる速さで書きなぐることができたらいいのだけど・・

#590 せとうち性病クリニック

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こんな仕事も頼まれてやったよなあ・・。



 今日は海の日で透析業務。

机の端っこに積み上げられた書類をちょっとずつ片付けていく。
 
4月に川崎医大の血液内科学・和田先生から送られてきた小冊子を眺める。
平成29年度から開始した
「MSM に対する有効な HIV 検査提供とハイリクスハイリスク層への介入方法の開発に関する研究」の小冊子だ。
 
 
今はコロナウイルス ばかりが前面に出てきて、梅毒とかHIV とか、そういった 疾患が鳴りを潜めているように 思えるけど、やはり性風俗産業とか複数のパートナーとかそういった社会が続く限りは HIV は根絶することはできないだろう。
だったらやはり早期発見治療をしていくためにはどうしたらいいのかということを考えることは有用なんじゃないかなで。
 
当院も MSM(Men who have Sex with Menまたは Males who have Sex with Males) の方の HIV 検査の窓口にならせて頂いたわけでした。
「せとうち性病クリニック検査」というプロジェクト。
いろんなとりくみが本当にあるものだね。
愛媛県では二つの泌尿器科医療機関が登録して検査の窓口になりました。
概要は以下にあるので、興味惹かれた方はどうぞ。
プロジェクトに携わったみなさん本当にご苦労さまでした。
 

#589 三津浜散歩 2020/07/16

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魚屋の猫

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ネコ専門店

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なんのお店だろー

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夢の跡先


 

知らない街を歩く。
でも知らない街も、数回歩いていると知らない街ではなくなってくるんだ。
かき氷屋の向かいの道に、昼前だと言うのに人がたくさん並んでいる。人気店なんだろうね。
そこをしばらく過ぎていくと、フラメンコの教室の前にキッチンカーが止まっている。
「921」というかわいい車だ(正確には921Kitchenかなあ?)。
通り過ぎて行こうとする背中に、キッチンカーの彼女がこんにちはと声をかけてくれた。
それだけで嬉しい。
廃墟のようなビルの1階によくわからないけど魚屋さんがあって、ばあちゃんが魚をさばいている。
魚のせいか、向かいの路地には猫が寝そべって、でもこちらを警戒した目で見ている。
ばあちゃんに「こんにちわ」と声かけたら少し目を潜めて、それから目を大きく開けて「こんにちわ」と言ってくれたんだ。
そういえば、三津浜にはなんだか猫がちょっと多いね。
商店街は交通量が少ないせいもあるのかな?
この街で慌ただしく散歩をして、そしてまたクルマに乗ってサックスのレッスンに出かける。
春に手に入れたテナーサックスも、少しずつだけど低音が出るようになってきた。
音楽には魔法が内包されているので、打ちのめされても厭きることはない。
またなにかにたち向かってゆきたいという「力」をくれる。
せわしいけど、なんだか少しだけときめいた気分だ。
そんな日があってもいいだろう。

 

#588 人生がブルースみたいに、1度と4度と5度だけだったらなあ。

Robert Johnson

 

ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ (CD付)

ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ (CD付)

 

 

ブルースギターの練習をしていると書いた。
 
どんな分野においてもそうだけでお、ビギナー編はまあまあ良くっても、中級編になると皆目歯が立たない。
 
そして自分は一応分類的には理系なんだけど、
それが関係あるのかないのかわからないけど、
やっぱり理屈がともなってないものに対しては、反復したときに再現性が乏しいものだだから、
運指とかコードの理屈を考えながら呻吟しながらplayしているので、手が止まってしまう。
 
ま、進まないってことですね。
 
これは歳をとったことの弊害なのか、それとも慎重だからいいことなのか?どっちなのだろうかね。
 
基本的にはブルースというのは、
セブンスコードを使った1度4度5度からなる12小節の繰り返しだ。
1度から4度に行って1度に戻って、(中略)最後は5度から4度に下って1度で帰結すると言う非常にきれいな構成だ。
 
人生もブルースみたいに、1度4度5度だけで成り立っていたらいいのになぁなんて思ってしまった。
それだったら、渋くってシンプルな人生が送れたかもしれない。
 
そう思わないか?
 
でも、よくよく考えると、
ブルースが内包している
メジャーじゃなくってセブンスのコードが、人生のブルーを醸し出すんだ。
やっぱりフラットセブンがブルースそのものであり、人生の憂鬱(blues)を内包しているのだろう。
 
ほらね、こうやって「理屈」こね回しながら、「ブルースギター」に立ち向かっているわけでありますよ。
 
そしてそれをコード構成の途中をツーファイブワンとかに分解したのがどうもジャズブルースらしい。
そして音が移行するときにdim(ディミニッシュ)とかが登場するんだけど、
このディミニッシュコードと言うものがジャズには結構出てくるんだけど、
この居心地の悪い中の居心地の良さがやっと体感できるようになってきたのです。
 
うんうん、サックスを始めて6年ちょっと、
少しはジャズが染み込んできたかなあ、なんちゃってね。

#587 だけど今日の問題は傘がない。君の待つ街に行かなくっちゃ。

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ナスとミニトマトとバナナ、味噌味。
 
豪雨で、重信川出会い大橋の推移は結界寸前までまた上昇した。
一昨日の夜のこと、浸水ではないが、流れる雨で、給水ポンプが漏電で二回止まる。
スタッフが夜中に出てきてくれて、それでも透析開始が30分遅れた。
うちの病院は井戸水を用いての透析なので、貯水槽に水が満ち溢れていても、それを給水できなかったら何も始まらないのだ。
ご存知のように一回の透析には果てしない「水」が必要なのだ。
 
そういうわけで、日常は始まればやはり終わりは来る。
 
最近はあまりレシピに関してはを深く考えないようにしている。
 
いい言葉を並べ立てると、素材を中心に自分の頭の中でまぁ組み立てるといいますか、簡単に言うとその場の思いつきでアレンジするようにしている。
 
昨日はだから、追加の買い物もせず帰ってきた。
 
日曜日にホッケの干物を買ったので中心はホッケの干物。
干物と言えば、自分は太鼓おろしなんだけど、冷蔵庫にカブがあったのでカブのすりおろしにポン酢をかけていただくことにする。
 
そしてとにかくバナナを料理に使いたかったので、
ナスを炒めてミニトマトも炒めて、味噌で味をつけてバナナも最後に投入する。
アクセントとしては生姜の千切りとアンチョビソース加える。違和感ない良い味にできました。
 
これも最近ちょっといいなと思っているお粥(まあ炊飯器で炊いただけのものでありますよ)。
家族3人で一合でちょうどいい感じのうちごはんです。
 
ブルースギターの練習を始めたのだけれど、指が届かない。全然届かない。
斉藤和義さんとは骨格が違うのだと頭の中で諦め、また思い出してする。いかんなあ。
kindle unlimittedは、ホントに素晴らしく、色んな音楽技術書が定額制で読めるので、ついつい新しい本を物色する。
いまは、いちむらなおきさんの、「ブルースギターをはじめる方法」というものだ。
それをテキストにギターを手に取る。
興奮して、弛緩して、もう寝る時間だ。
 
最後にアコギを抱えて、土砂降りの戸外の音を聞きながら、なんとなく歌ってみる。
 
♪雨で空は見えない、
だけど星は見えなくってもそこにあるんだ、
だから大丈夫だよ、Baby。
そんなことを喚いている自分がいる。
 
山崎ハコさんの夫であり、ギタリストの安田さん(安田裕美さん)の逝去のニュースを知る。井上陽水さんのアコギでも有名な方だった。
一度だけだけど、ハコさんのOWLのコンサートで、見て、音に埋もれた。悲しい、哀しい。
 
人生は限りあることを、
不謹慎ではあるけど、
雨より、豪雨より、土砂崩れより、安田さんの死でまた認識する。
 
下手くそでも、自分も歌おう、そうまた思った。
 

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偉大なるホッケ様!

 

氷の世界

 

 

 

#586 還暦という言葉がふとよぎったので・・。

 

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simple is best

 

週末、食事を終えて、
明日のスタジオでのバンド練習に向けてもう少しギター弾いとかんなと思いつつも、
誘われてというか、facebookで開催されている「ZOOM飲み会」に顔を出してみる。
 
椅子に座って、ネットで接続するだけなので、ほんとあっけないものだ。
クリックする瞬間にほんの少しの勇気がいるのだけれど。
 
全国の泌尿器科の先生のうちのひとかけらの集いだった。
 
知らない顔がほとんどだけど、泌尿器科であるということで接点はある。
歳を聞くと年下がほとんどであり、こういうときに自分の上に過ぎてきた年月というのを否が応でも知らされる。
開業したときは確か38歳だった。
一回だけの印象ですけど、歳下(といってもそんな若い方ではないけど)の先生方は、なんかやっぱりエッジが立ってる感じでした。
いやあ、たまにはこういうのもいいかな。
 
ただし、歳上ということに関してだけど、今の自分はそれが嫌かと言うとそんなことはない。
 
自分の仕事は、日本の泌尿器科学の最先端にあるわけでもなく、
降って湧いてきた仕事を右から左へと片付けているだけで、誇るべきものがそうあるわけでもない。
でも、ちゃんとやるべきことはやってるよという矜持も一方ではある。
 
あいかわらず煮えきらないままの人生だけど、
そんなこんなで、もうすぐ還暦が近づいた。
 
定年とかある職業なら、思い入れもひとしおかもしれんけど(昨今感慨にそうそう浸れる人も少ないだろうけど)、
ああもう還暦かと漠然と思うだけである。
 
皆さんには羨ましがられることが多いのだけれど、
幸い「開業医」という「個人事業主」であり、「定年」もないので、まあ自分にその気がない限り日常は続いてゆくのである。
でも、いつまでも、いろんなことをkeepできるわけではないので、「次世代に継ぐ」ということは考えてはいる。
 
おもろない話になったなあ。
 
で、ギターだけど、
ブルースみたいに歌うようにギターが弾けたらいいなあと、毎日コツコツと練習しているのだけど、
こちらも遅々たる進捗状況で、でもこれは還暦とかそんなものとは関係なく、死ぬまで続けていけたらという感じだな。
やりたいことがなんぼでもある限り、人生は膨らんでゆく。
 
こんなこと書くとあれだけど、泌尿器科としての自分以外の自分もたくさん見てみたいのだよ、当の自分がね。
 
 
昨晩は、ワインとこんな感じの飯を作る。
シンプル。
スパニッシュオムレツはやや野菜のほうが量が多すぎたけど、家庭料理だからこれでいい。
ベーコンステーキはワイルドな味でいいよね。
モッツァレラ。
そしてオレンジワイン。
家族3人でちょうどの量が1本。いいよ、これって。

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自然派ワイン。オレンジ。

#585 スピルバーグ&トム・ハンクス「ターミナル」(2004)久々だなあ。

ターミナル(吹替版)

トム・ハンクスの「ターミナル」という映画を久々に見た。
 
映画は、多分、過去のある時点、
自分が非常に切羽詰まった状態が続いていた時に、映画館で見たような気がする定かではない。
 
その時、ターミナルという言葉が闇夜に浮かぶで「唯一の光」で「出口」のように思えた。
 
この映画の中でターミナルというのは空港であり、
祖国にクーデターが起き、混乱の中で国籍を失い、宙ぶらりんの状態になり、空港からアメリカに入国ができなくなった男の悲哀を描く上質なコメディ映画だった。
トム・ハンクスの演技はまったく素晴らしい。日本で作られたら浮浪者の悲哀みたいなテイストなのに、国際線のCAさんとの恋みたいなものまで盛り込めるんだからねえ。
 
まあそんなことはさておいとき、
本当に、トム・ハンクスが映画の中で言うように「人は何かを待っている」 のだろう。
でも、ずっと待っているものがあっても、いつかは扉を開けて出ていかなければいけないのだという、相反するものを抱えて生きていかなくてはならないこともわかっている。
 
人間にとって、最後の扉は、当然死への扉だ。
その扉を開けたらもう二度と戻ってくることはないだろう。
 
「ターミナル」ターミナルという英語を翻訳で調べてみる。
  1. a(鉄道・飛行機・バスなどの)終点,起点; 終着駅,始発駅.
  2. b(空港の)ターミナル.
とある。
 
つまり出発点でもあり帰結点でもあり、とどまるところでもあるのだろう。
 
さて、自分のことを振り返るにだけど、
人生がまだ蒼かった頃はいかにうまく「さよなら」を言えるかばかりを考えていたような気がする。
ある程度社会を泳いできて、今は、この「ターミナル」にいるけど、その狭い中でも色んな場所に行けたらと思うくらいだ。
でも、それを進歩と呼んでいいのかどうかはわからない。
自分にできるのはほんのちっぽけなことだ。
待ちながらも、前に進むことだ。
続く限りの意志と努力と(大げさに書いてみたものの大したことはありません^^;)、
そこに、新しいカバンやら新しい風を携えることができたら、なお嬉しいな。
 
*さて、久々のblogは文章のリハビリみたいになった。
それにしても、キャサリンゼタジョーンズ素敵だったね。恋じゃなくってもいいから、こんなふれあいがほしいよなあ。
 
これもみたなあ。
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#584 F先生の死と、人参菩薩の絵と、続いてゆく日常と。

 

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人参菩薩(「procreate」のクローンという機能を自慢気に使っとります^^;)
出口はなかなか見つかりそうにない。
出口のない日常を生きる。
それでもやはり日常は日常なだけで、いろんなことが絡まりついて、それを一つ一つ処理していくしかない。
 
人は生きてく。喰ってクソして、寝て、笑って、泣かなければならない。
なかなか、講演会とか勉強会とかも、コロナのせいでなくなってしまって、
たわいもない医者同士の情報交換、というか、世間話もなくなってしまった。
こんな狭い街で生きているのに、一人で 空回りしながらやっているような気がする。
きっとテレワークの人たちもそんな感想を抱きながら少しずつ消耗していっているのだろう。
 
そんな最中に、一緒に働いていたわけではないけど、同じフィールドに立っていた先生が疾病で亡くなられた。
急性の経過だったようだ。
ある種癖のある先生だったけど、癖があるからなのか、自分の中ではいつも視野の片隅にいるようなそんな先生だった。
書かれた透析の論文もわざわざ送ってくださった。
斜に構えた発言を なんとなく聞いて納得している自分がいるのが驚きだった。
だってそんな人は他にはそういなかったからね。一緒に酒を飲むわけでもなく、学会場とかで立ち話をするくらいの仲だった。
先生と俺の生き方は違うけど、先生は、多分もっともっと臨床の現場にいたかったんだと思う。
ご冥福をお祈りします。
 
ーーーーー
 
 
「人参菩薩」というキャラクターを作ったんだけど(まあみんなにはどうでもいいことだろうけどね^^;)、
彼女はだんだん「人間寄り」のキャラを持ち始めたようだ。
 
この顔がたくさんある手法は、
「procreate」の「クローン」という技である。
このアプリで、copyすると別レイヤーに実は描出されるわけで、それはそれで理にかなった技なのだけど、
同一レイヤーにcopyすることはできないのかなといろいろ探っていたら、たまたまというか、このテクニックを発見したのだった。
それで、得意げに貼り付けたのがこの作品だ。
千手観音も夢ではないかな、あはは。
 
そして、そんな学会上での彼との一コマはこんな「詩」になった。
練ることはもう不可能だと思いupする。
 
先生、長い間ご苦労さまでした。
 
ーーー
 
 
「F」
 
月の海に 船を浮かべて
君を待っている
 
釣り糸はピクリともせず
時の流れも止まったままだ
 
時間を数える狐が
もう何百回過ぎていったろう
珍しいことだね
こんなにせっかちな僕を待たせるなんて
こんなにせっかちな僕が待つなんて
 
しかめっ面で 斜めを向いて
何かを呟きながら
君はまた通り過ぎようとするのだろう
 
待ったをかけてほしい
心のほつれを
でも
僕は知ってるよ
 
だから心配しないで
だから心配しないで
 
もう冷えてしまったかもしれないけど
家で焼いてきたサーモンのパイを二人でぱくつこう
ああ 君はお酒はやめたんだよね
じゃ遠慮なく飲ませてもらうよ
ところでもっとうまそうに喰いなよ
よだれを垂らせとは言わないからさ
せめてものお愛想はあの娘のためにとっておいていいからさ
 
泣き女がパレードして
ピアノがホンキートンク
ピエロの仮面にはヒビが入って
黒い鳥が空を駆けた
 
君の席をあけておくよ
君の席を開けておくよ
 
たとえ僕がいなくなっても
たとえ君がいなくなっても
 
月の海に 船を浮かべて
君を待っている