#654 絶望の果てには淡い光でも希望が灯っているといい。
いつまでたっても慣れないことはたくさんある。でも慣れないことはやはり職業上降ってくる。
自分が正しかったのか、仕方なかったのか、どうにかなったのか、いつも混乱する。
こんなに長いこと医者をやってるのにね。
みんな 高齢になっていく。
開業当初は90代の患者さんなんてほとんどいなかったのに、今では90代の人も珍しくない。
60台だったら、お元気ですねまだまだっすよ!っていうぐらいだ。
そういう自分も38歳で開業して既に61歳だ。
ガキあわわわお子様の患者さんに「じいさん」と呼ばれたときにゃあまじ凹んだが、彼からしてみればまったくそのとおりなのだ。
人間は生まれ方を選べないように死に方も選べない生き物だろう。
ますます選びにくくなった気がする。
安倍政権が人生100年時代などという甘言を作り出して、みんな他人様の役に立って働き続けましょう、生涯現役だなんてぷりぷり言って、変な誤解を植え付けてしまったものだからもう大変だ。
そんなに他人様の役に立たなくていいんじゃないのかなと思ったりもする自分もいるし、いやいや現役でいれる限りは現役でいたらどうなんだと思ったりする自分もいる。
細野晴臣さんが、昔はご隠居さんという肩の抜けたシステムがあったのに今はないと何かで語っておられたが、
ご隠居さんという斜めに構えた存在にはやっぱり憧れるけど、そういう細野さんもバリバリ現役だ。
どっちなんだ?
あっちの顔色伺って、こっちの顔色伺って、どっちつかずだ。
だからやめられずに宙ぶらりんのままでいる。
でも、やり始めたことに関しては必死でやり続けるのだ。それでまた消耗してしまう。
さっき、佐野元春のうた(「NewAge」)がどこかで鳴った。
♪数え切れない痛みのkiss 星屑みたいに降ってくる
♪なにも分け合えられない
♪なにも抱きしめられない
絶望の果てには淡い光でも希望が灯っているといい。