夜の河を渡っている
腰から下の感覚がどんどんなくなってゆくのがわかる
あゝ もうおれは沈んでゆくのだなと思っていると
霞んだ視線の中で
水面がキラキラと踊り出す
夜はそして しんしんと ゆっくりと やがて大胆にあけてゆく
そして おれは
そして おれは
一歩を繰り出す
また 一歩を繰り出す
頭の芯はいつも覚めているのだと
君はいつもうそぶいていた
coolだね あんたは
おれも適当に調子を合わせていたんだ
二人で限りなく杯を重ねたよ
夜が狂ったリズムを奏でてたんだ
頭は生きているうちに使わなくっちゃね
だって人生は短すぎるよ
恋をするにも
駆け抜けるのにもね
残骸になる前にあっちにおさらばしたあんたに
あっちの様子を今更聞いてみたいかもしれない
どうだい まだ覚めてるかい ってね
でもおれは
夜の河を渡って
夜の河を渡って
朝日の中に還ってゆくよ