#671 Bye-bye
夜の河を渡っている
腰から下の感覚がどんどんなくなってゆくのがわかる
あゝ もうおれは沈んでゆくのだなと思っていると
霞んだ視線の中で
水面がキラキラと踊り出す
夜はそして しんしんと ゆっくりと やがて大胆にあけてゆく
そして おれは
そして おれは
一歩を繰り出す
また 一歩を繰り出す
頭の芯はいつも覚めているのだと
君はいつもうそぶいていた
coolだね あんたは
おれも適当に調子を合わせていたんだ
二人で限りなく杯を重ねたよ
夜が狂ったリズムを奏でてたんだ
頭は生きているうちに使わなくっちゃね
だって人生は短すぎるよ
恋をするにも
駆け抜けるのにもね
残骸になる前にあっちにおさらばしたあんたに
あっちの様子を今更聞いてみたいかもしれない
どうだい まだ覚めてるかい ってね
でもおれは
夜の河を渡って
夜の河を渡って
朝日の中に還ってゆくよ