poetry,and any creation
12月に腰掛けて レノンの夢を見る 誰のためなのか そじゃないのか ただただ生きている自分には レノンの夢はいっつも重すぎるけど たしかに菩提樹の下であの人は涼しげに目を細めていた 2500年前のことを覚えている 言葉は通じなかったけどおれはウンウンと…
いつも どこか なにかを置き忘れてきた気がして、 わたしは昔、 あの港で、 鎖につながれたまま 奴隷船に乗って櫓を持った。 潮風、燃えさかる太陽、波の向こうの蜃気楼、 指の皮は膨れてすぐに破れ、 とめどもなく吹き出す血と、 破れた背中にも痛みすら感…
もう きみにはあえないんだと 遠いようで近い 夏の雲を見上げて 想った 遠くに蝉の声 乾いた空気と 滲みだす汗 ポケモンを捕まえて ポケモンを博士に送って そんなふうにして 育ったマチを3年ぶりに歩く 君がいない街を歩く おふくろに連れて行ってもらった…
きみのいない空を 今日も大きなお腹をさらしながらジェット機が過ぎてった 久しぶりに外の空気を吸って 久しぶりに秋の陽射しを浴びて ボクは影を連れて 歩く 歩く 歩く 歩く道のそこかしこにも今日の神様がいる そしてあちらこちらには積み上げられた藁束が…
胸が苦しい あの子が笑ってる 心が踊る あの子の声が耳元でささやく 涙がこぼれる あの子は飛行機が好きだって それで空を飛んで お星さまになっちゃったんだ ラインはどこにもつながらなくって ラインはぷつんと切れたまま そして夏の陽射しの中でアイスク…
街に夜と朝の間の空気が敷き詰める頃、ポーは歩き始める。 アルミ缶を集めてお金にするんだ。 ポーはずっと船を待ってる。 順番が来ないと乗れないんだが、なかなか順番は来ない。 気にかけてくれる人もいたけど、みんな先に舟に乗るか、先に死んじまうかし…
待ち合わせの場所にはずいぶん遅れてついた。 知っているはずの場所なのになぜかなかなか辿りつけなかったのだ。 店に入るとみんなカウンターの中でがやがややってる。待ってるのに来られないからもう飲んじゃいましたよ。彼女のほっぺはほんのりピンク色で…
sheena and the rockets train train - YouTube 何をやっても徒労のような気がする日もある。 冷たい雨は心の襞に染みこんでゆくから。 毎日何百行もタイプする言葉たちや、日々の暮らしにも疲れ果てている。 もううんざりだ。 だから今日もお湯にラムを垂ら…
土曜日の飲み会の時、「太閤」で鉛筆をなくしてしまった。 かばんに鉛筆を入れて持ち歩いているのだ(お絵かき用に)。ずいぶん酔っ払ってたしなあ、アウエイな場所だったしなあ。後悔先に立たずというやつである。 お絵描きはややりボールペンより鉛筆がい…
頭がフリーズしている時には、昔のキヲクを蘇らせてくれて、それでいて上質なエンターテインメントに触れるのがいい。 そうすれば心の表面に積もっていたつららの如きものが氷解して、万が一の可能性でも残っているパーツが動き出して奇跡的なハーモニーを奏…
久々に描いたような気がするけど、ついこないだも描いたような気がする。 絵を描くって、腕はまあ置いといて、素敵だ。 モデルの娘の顔をじっくり見ながら、ソレを自分の手の先に伝えてく。そしてその想念みたいなものが(おおげさだな)真っ白な紙の上で徐…
「ろかみぃばいばい」の覚え書き。 また性懲りもなく歌を作っている。 歌を作ってて口ずさむメロディが、誰かのパクリじゃないのかといつも思いながらも、おれのメロディなんて何処にも出てかないんだからそれでいいかと開き直って、ギターを爪弾いてまた口…
photo by 【丹尼斯®】 1 由実は脇の下にびっしょり汗をかいている。 造り物のヤシの木の鉢植えが、壁際に置かれている。 木製のラウンドなテーブルの上の銅製のコーヒーグラスを取るためにソファから手を伸ばす時、由実の腋臭が宙に微香となって拡がってゆ…
できれば おれが死ぬときに 空の蒼からんことを 風が凪いで一瞬時が止まり 図体が後ろ向きにどうと倒れこみ 電線の鳥たちが静寂を破り一斉にはばたく その時に! 彼女は あなたの一番大事なものをこの場で捨てたら考えてあげるわと 涼しげに笑ってマルガリー…
- photo by e_brand -----------笹井さん、ヒロシマ平和記念日、相原コージ先生の描くゾンビ、原爆、原発、そんな日々を忘れることなく生きていこうと思うこの日に。 彼女は背中と足の動脈を背後から刺された。 刺したのは、乱暴が目的の変質者ではなく、窃…
photo by h.koppdelaney 神様が湖から現れて言う。 残念ながら、一般的な神様神様した神様で、おねえちゃんの神様ではない。 「あなたの所望したのは、この赤のワインかな、それともこちらの白のかな?」透明のグラスを両手に掲げて彼が厳かに言う。 「いや…
1991年の初版でした。 夢枕獏氏が「キマイラ・吼」シリーズを書き続けているうちに、自分の作り上げた登場人物である「岩村賢治」氏が書いた詩を集めて詩集にしたという体裁でリリースしたのがこの本だ。 フィクションの中の人物が書いた詩なんて形をとれる…
凍った窓が白く曇ってしんしん鳴っている コンクリートの床で音を立ててるストーブの炎 煤けた薬缶から出る蒸気がずれた蓋を踊らせてる あの街で君と出会い あの街で君と別れた そこから遙か遠くの空の下で 君のことを思い出す なんだか遠くって近くって不思…